色々と個性的な作品
作者の個性や思想がよく表れているゲームです。
人によっては鼻に付くかもしれませんが、私は面白いと思いました。
ゲーム内容は館が舞台の推理物で選択肢や推理を間違えると殺されるといったマルチエンディングです。
これは誰がやったのかと個別に犯人の目星を付けるターゲッティングは斬新で面白いシステムでした。
ただこのシステムは同時に共犯者もしくは個別の複数の犯行を予め示唆してしまうかなと思います。
世界観や多くの登場人物も独特で個性があって魅力的です。
推理の難易度は100点を目指すなら難しいと思います。
全体的に言うと面白いゲームでしたので次回作も期待しています。
システムは面白かったです
100点エンドまで見ました。80点まではほとんど迷うことはありませんでしたが、そこから先は特定キャラの好感度がキーになっているようでそれなりに苦労しました。
アドベンチャーゲームにありがちな「手当たり次第に1マス1マス調べればいつかクリアできる」や「手当たり次第に選択肢を1つ1つ選んでいけばいつかクリアできる」が通用しづらいシステムは面白かったです。そもそも「決定ボタンで調べる」という機能を排除したその発想が斬新で良かったと思います。
いささか気になったのは、
・全体的に文章が稚拙。
・殺人事件が起きたというのに、全員の安否を確認する前に朝食を作って食べようという展開
・林の中で犯人と遭遇して「ここは俺が食い止めるから逃げろ」的なことを言われて洋館へ戻ったのに、皆に知らせた後 助けに戻るわけでもなく昼食を作って食べ始めてしまう展開
・登場人物たちが頻繁にトイレに駆け込む描写。犯人に長時間 監禁されて助け出された直後など、たまっているのも分からないでもないが、緊迫感は台無し。
・プロローグから最初の事件までが長すぎる。2時間もののサスペンスだと「最初の30分で事件が起こらないとチャンネルを変えられてしまう」という法則があるそうだが、まさにその通りだと思う。救済措置としてプロローグはスキップ可能になっているが、それなら「プロローグを見たボーナス」や「ある人物からもらえるお守り」はまったく不要。あれのお陰で長いプロローグを毎回見ざるをえなかった。(しかも結局それらが役に立ったのか分からなかった。)
・キャラクターの立ち絵が同作者さんの他のゲームからの使い回し?みたいで、とても現代ものとは思えないファンタジーな格好をしていたりする。服装ももちろんだが、エルフ耳やツノもいる。女性の立ち絵は綺麗だったが、終盤の水着シーンでは身体のラインがいきなりぶっこわれた。一方で男性は現代風の服装が多かったが塗りが安定しない。
・全体的に子供が想像で描いた「大人の社会」のような印象。
・数あるエンディングの中で100点エンディングが最も微妙だった。
といった点。まぁ、以上は「気になった」程度で済むが、以下はかなり深刻。
・ヒロイン、もう一人のヒロイン、どちらも社会性に致命的な問題があるようで、魅力的には思えなかった。
・主人公にまったく共感できなかった。オールバックの高校生に抵抗があったうえ、言動もかなり怪しい。
これらのお陰でいまいち感情移入できなかった。主人公、ヒロイン、もう一人のヒロイン、いずれも異常。なのに作者さんが「それでいい!」と思っているように伝わってきてプレイヤーとしては気持ち悪かった。変人キャラの○木の方が笑える分だけマシ。それどころか殺人鬼さんの方がまともな人のように思える。
辛目に書きましたがどうか真摯に受け止めて今後の参考にして下さい。
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