フリーゲームだとはまるで思えない出来。

萌え部門銅賞ということで「萌え」に抵抗がある人はプレイするのがためらわれるかもしれませんが、この話は若者より大人に薦めたくなります。
ただ私はまだ20代なので、実際大人が読んでみていい話と感じるのかはわかりませんけれど…。

他の人と少しかぶりますが、話の破綻や伏線の未回収、無駄なシーンなんかが全く見当たらないのがすごいと思いました。
一人ひとりのキャラが人間として立っている、そんな印象を何度も覚えます。
感情移入がしやすすぎて、プレイし終わったあとに心にぽっかり穴が開いたような気持ちになってしまいました（悪い意味ではないです）。
ずっとこの物語の世界を眺めていたい気持ちに駆られるほど、印象に残る良作でした。

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物語がテンポよく進むのでEDまで一気に読めました。
絵が合うなら間違いなくおすすめです。


ただ、全年齢向けではないです（性的な意味じゃなく）
詳細を語るとアレですが自分はこの物語はハッピーエンドじゃないほうが納得できた、といえば察してもらえるかと。

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主人公ゴドーが遺跡発掘中に、棺の中に生きた人間を発見する。それは幾千年前に滅びた古代文明の少女の生き残りで・・・

あらすじとしてはこんなものです。

ここから感想を。
システム面。
エンターキーによる超早送り・クイックセーブ/ロード、これだけあればシステム面としては上出来です。フリーゲームではこのあたりがない作品も見られるので。。


それぞれに悩みを抱え、どこか歪んでいる登場人物たち。萌え系？日常系ラノベ？などとは一線を画しています。心理描写がきっちりできており、登場人物たちがなぜ各々の考えに至ったのか、そして移り変わっていく登場人物たちの心情などがしっかり伝えられています。

細やかな心理描写のおかげで、それぞれのキャラクターの魅力が出ています。無駄なキャラクターというのは一切いません。

ただ、首を捻る箇所が、最後の方に2つほどありました。物語の終盤の、〆を担う後読感を左右する重要な場面であっただけに、残念に思いました。

多少の不備はあったものの、全体としてよく出来た作品であり、おすすめできるものです。是非プレイしてみてください。

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「やってよかった」と思わせる作品に出会ったのは久しぶりです。


ありがとうございました。

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＊ネタバレを含みます。


とりあえず主人公の過去が丸ごとクロス†チャンネルというところを突っ込むべきでしょうけど、面白い分、あまりいいたくはない。

ゲームとしてはほどいいくらいで終わるのというところも見事。この手のゲームにありがちな作り手がキャラクターに愛着をもっちゃってたらたらと意味がない日常が続く展開にならなくて本当によかった。

キャラクターの過去がどいつもこいつもかわいそうなやつなんだよー的なのばかりなのはちょっと微妙だけどキャラクターと世界観の設定が破綻せずにちゃんと伏線も回収しているあたり偉い。

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いわゆる「同居系」のノベルゲームなのだけれど、この手のゲームにありがちな無理矢理な水増しがなく、また、しつこい萌え表現もないので、いわゆる「美少女ゲー」が苦手な人にもすんなり受け入れられる作品だと思う。

結構心情的な吐露をキャラクタ達が行うのだけれど、言い回しが上手く、かつ、キャラクター特性に合わせて言葉がひねり出されるので、「作者のテーマごり押し」ではなく、キチンとシナリオの中の台詞として受け止めることができるのは、簡単そうでいて中々できない、技術の高い表現だと思う。

強いて言うなら、その心情表現部分にほとんどの分量を割いている為、サラッと流れていく日常やバックボーンからの流れで、素直に飲み込めるかどうかが楽しめるかどうかの分岐にはなるかも。

とはいえ、テンポとしては映画くらいの感覚なので、基本的にはそこまでの違和感は覚えないはず。

個人的にはコミカル部分がもう少しあっても良かったなぁというところではありますが。

総評としては「良作」。大作・名作とは異なるけれど、しっかりと作りこんであって破綻が少ない、今時珍しい「真摯」な作品。

無料なのに、か、無料だから、か。

どちらにしても一プレイの価値ありの作品でした。

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