[☆2] ロンドン難愛物語
ひねくれたところもまた愛情、短編会話ノベルに該当。
「せっかくの結婚記念日に高飛車な旦那と喧嘩して家を飛び出した夫人が、街中で遭遇するトラブルに巻き込まれつつも旦那と仲直りしていく」というべき設定のストーリーであり、中世のロンドンを舞台とした若干のファンタジー要素を含むラブロマンス劇といったところか。
話の尺が短くやや急ぎ足進行ではあるものの描写自体は極めて丁寧であり、極度にあっけないという事もなく適度なキャラのやり取りが堪能でき、主要キャラの面子は普通に魅力を感じるレベルで愛着が沸いてくる。
旦那以外にも攻略対象の男キャラが幾らか登場するが、本作における話の本質はあくまでも「夫人と旦那の愛」といった部分がメインである故に、男キャラ達の存在感が薄い感は否めないのはやや残念。
複数のエンディングはどれも明確なるバッドというべき結末が一切存在せず、原則として「くすっと笑えるドタバタ系」か「ラブラブ系」のどちらかの結末のみが用意されている模様。
どのENDも見所だが、特にトゥルーENDの回想シーンの繋ぎ方やラストシーンの演出は非常に素晴らしく、一見の価値は大いにあるのではなかろうか。
ちょびっとややこしい分岐はあるものの、選択肢は少なく、ゲーム内にて親切な攻略情報が確認できる為、全ルートを埋めるのはそう難しくはないと思われる。
ルートを埋めると段々とおまけ項目が増え、主要キャラの詳細設定などが確認できるサプライズは嬉しい。 (出番が少ない男キャラ達の設定が拝めるのはナイスフォローだと思う)
親しみやすさと繊細さを兼ね備えた美麗なキャラ絵やイベントCGも見所の一つであり、絵数自体は多くないものの見とれてしまう事は必至であろう。
しかし、絵と文章表現が一致してないシーンがあるのは少々気になるところ。 (旦那がスーツを脱いで夫人に着せさせるシーンにて、両人の服装が全く変わっていない)
物足りなさが決してない訳ではないが、短編なりに上手く描かれた、偏屈ながらも幸せなる愛情物語を堪能できる作品ではないだろうか。
「こりゃ離婚確定だろ」という絶望的環境から徐々に寄りを戻してくるツンデレぶりな展開が面白くもあり、それでいて複雑な心境も残るのがもどかしくもありで…。 (Vol.165)
(無題)
攻略というか対象は旦那さん1人。他のキャラは引き立て役って感じでしょうか。どのエンドでも夫婦のアツアツぶりがみられるので、なんだか幸せな気分になれました。絵も綺麗で好きです。話はすごーく短いので深みはないですけど、面白かったです。
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