エンディングまでプレイし、裏ボスも倒しました
私は初めてフリーゲームをプレイしたのですが、まず驚かされたのはクオリティの高さでした。街の風景の色使いやキャラデザイン、音楽など細部にまでこだわっているのがとてもよくわかります。
ストーリーをすすめる中で特に印象的なのが、キャラクター1人1人が実在する人間かのようなリアリティのある個性を持っていることです。
私の特に好きなエピソードは、ジルのエピソードです。
ジルの過去が想起されるたびに、どんどん好きなキャラになっていきました。
ラストのシーンは分岐エンドですが、どちらを選んだら正解・不正解ではなく、どちらもその道の在り方に意味があるんだろうなと思う最後でした。
まるで人生の分岐点のようで、自身に重なる部分が多々あり、とても重厚感のあるストーリーでした!
メガネは心の一部です
淡い色遣いと筆致で描かれた、海外小説の趣があります。
ゆったりと大人びたメロディの中に、サンプリングの小気味よい音楽が
モラトリアムのどぎまぎした感じを掻き立てるようです。
舞台は現代のように見えて、しれっと異質な生態の生き物が現れたり
ペンギンだらけの街に迷い込んだり、ふとした瞬間に入り混じる虚構。
病める社会のカリカチュアともいうべき敵の姿に、現実に引き戻されては
独自フォントの不思議な言語を読み解くべく、思索の海を浮き沈み。
あちらこちらの世界に誘われて、行ったり来たりの面白さがあります。
戦闘については、時間がかかりがちな部分が目につきます。
ほぼすべての敵がユーより早く行動不能の状態異常を使ってくる上に
ユーの耐性が低いため、頻繁に足止めされることになります。
そのため、テンポの良さだけを求める人にはあまり合わない可能性もありますが
この点はストーリーとの結びつきにおいて重要なものともなっています。
主人公のユーについて、進むにつれて弱いという形容に反した印象を抱くはずです。
会話の端々から鋭い洞察力がうかがえるし、覚える攻撃技も強いし。
そんな確かな素質がありつつも、すぐに社会への恐怖に直面して動けなくなり
持ち前の能力をうまく活かせない現状、その映し鏡のような戦闘の中で
プレイヤーが同じ悩みを体験し、ユーに寄り添う形でともに歩んでいくわけです。
仲間が増えれば行動できない事態も相対的に減るという単純なことでも
ひとりじゃダメでもみんながいる、そんな心強さが一際まぶしく思えますし
ユー自身もレベルアップによって行動不能に陥ることが少なくなり
旅の中で進む道を見つけ出し、迷いが消えていく様子を強く感じさせます。
こうして傍で見守り続けた先のエンディングにはじんわりとした感動があります。
ロードムービーの名を冠する通り、列車に乗らずして線路を歩くような道のり。
快適志向とはまた違った、これもRPGならではの魅力といえます。
詰まりやすいポイントとして、ボス戦はユーの性質を抜きにしても難しめです。
新しい仲間のレベルを上げて特定の技を覚えさせることが攻略のカギとなります。
それに加えて長丁場となるため、十分なアイテムを用意することも大事です。
フランス映画のようなゲーム
誰しも思い悩んだことが、少なからず一度はあるはず。
現代の多くの人にも通ずる、非常に共感性の高い題材を取り上げたストーリー。
さっくり終わるかと思ったら、思ったよりボリュームがあった。
戦闘は雑魚もボスも思ったより強いので、特に雑魚戦のテンポは悪くなる。
ただ、アイテムドロップが潤沢なので枯渇することはまず無い。
全体的にお洒落な街並みやキャラグラフィックで、音楽もChill系と雰囲気が抜群に良い。
これが処女作とは思えない作り込み。
人によって感受性は違うので、全ての人に合うかどうかは分からないが、“感じる”ゲームだと思う。
ゲーム終了後は、まるでフランス映画を観た後のような余韻を味わえる。
- 1
あなたにオススメのゲーム
フリーゲームイベント開催中!
サポーターのオススメゲーム
-
白髪ヤンデレ美少年と金髪女装先生3話(最終回)
ととと(永久恋愛)
勢いだけのBL超短編 ちょっとシリアス
-
物語らない
ネコノヒト
匿名世界のRPG
-
ワーニャ伯父さん
大森久仁夫
ロシアの劇作家チェーホフの名作『ワーニャ伯父さん』がノベルゲームで読める!
-
シュレディンガーの私 〜I’m Schrödinger〜
ととと(永久恋愛)
超短編モノクロなクリック脱出ゲーム
-
アントールの犬
3色ぱん
「……ただ歩んだだけだ。彼らとともに」
-
ぼくらはやんちゃな小学生!
DEKO-GANG
今夜、ぼく等は帰れない