衝動のラストサマー
どんな窮地に立たされても生きていかなければならない過酷、短~中編ストーリーといった感じだろうか。
まず、特に話中盤位までのイベントの冗単さが目につき、一日毎のテキストが妙にだらだらと感じたのが第一印象。
イベント自体はそんなに長くはないものの、雑談パートのぐだぐださが多く、それがほぼ毎日の如く描かれる為か、一日一日が必要以上に長く感じられた次第。
しかし、主人公を筆頭とする主要キャラの重い事情を交えた深く考えさせられるストーリーや、主人公とヒロインとの甘く切なき恋愛描写、トゥルーEND(?)のまさかの結末、等の見所のある場面も少なくない模様。
原則的に現代の日本が舞台の現実的設定だが、非現実的ファンタジーな一面もストーリーに深く関わるのは好みが分かれるかもしれない。
システム回りの面で気になった点として、文章をクリックしていると選択肢がいきなり表示され、それと同時に勝手に選択が決定してしまう誤爆がやたら多かった事が挙げられる。 (カーソルが選択肢から離れてても決定してしまう)
一応、対処方としてクリックではなくCtrlキー側を押せば選択肢の誤爆は防げるのだが、このボタンは文章スキップも兼ねているので、かなり短く押さないと文章が一気に流れてしまうという問題もある。
本作は選択肢によってマルチエンディング制で、選択肢の数も多め、しかも内容自体が長いのでお気軽に繰り返しプレイがし辛いという環境も相まって、異様に不便に思えた。
また、エンディングを迎えてもED一覧のようなものが確認できず、どういう選択肢を選べば目的のENDにたどり着けるのかが不透明(一応クリア後のおまけで簡易なヒントはあるが)、のもめんどくささに拍車をかけているかと。
絵柄はヒロインが可愛らしくてなかなか萌えさせてくれる反面、主要ヒロイン以外の絵は一切存在せず(登場の多い主人公の親友(男)すらも)、その絵のバリエーションも正直多いとはいえないので、視覚的な観点からみれば、あまり魅力がある作品とはいい難いかと。
また、何故か画面が薄暗くなる場面が多いのは、そういう演出なのか、それとも何かの不具合なのかが不明である。
ちょっと蛇足なイベントを入れすぎて、話の本質までの経緯の間延びが多い気もしたが、決して悪い作品ではなくちゃんと作り込まれたという印象。
友情愛情ありギャグあり微エロあり、そして欝方面が特に強いので、そういう系統の話を堪能したい人にはお勧めかもしれない。
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