同作者の『ラハと理の魔法生』が好きなので
第一章の台詞の引用あり。
何年かぶりにこの方のフリーゲームに触れたが、こういった作風も持っているのかと思わず唸ってしまった。
絵師の起用と高品質な有償BGMの導入でクオリティーは格段に向上したし、キャラクターの動きも増えた。
何より今回は台詞がめちゃくちゃいい。
・シーン1
ヒロイン「商売よりも治安を優先する。町人の鑑ですね」
主人公「報奨金で今日の損失を埋めようってんだ。商売人の鑑でもあるさ」
・シーン2
酒場の主人「よう相棒。酒かい、コーヒーかい」
主人公「一番いい酒を頼む。アルコールは抜いてくれ。色は黒、苦みを利かせてな」
酒場の主人「人はそれをコーヒーと呼ぶのだよ」
普通に返事をすればいい所を、こういう茶目っ気のある返しが多くて、アメリカ映画を見ている様で刺さった。惜しむらくはボイスが無いことだが脳内でイメージが形成されて勝手に再生される。本筋の謎解きも楽しくて、続きが気になって一気にクリアしてしまった。
かのラハシリーズも名作だったが、この作品も自分の中では高評価。
口は悪いけど人の幸せを優先する優しい主人公
三日かけてしっかりと遊び尽くしました!
周りの人の幸福を優先するというのが今作の最大のテーマでしょうか。自己犠牲で周りの人々を悲しませる事をしない。現代社会への風刺も効いている気がしますね。
主人公のアイヴィは何だかんだで城下町の酒飲みやお年寄り達から愛されていて、口は悪いけど憎めないキャラで好感を持てました。終わり方もよかったです。
作り込みと演出に拍手。
タイトル画面にひかれてDL。
シリーズ完結作品との事ですが初プレイです。結論から言うと製作者さんが書かれていた通り、他の作品のプレイ経験が無くてもすごく楽しめました。でもいつかは他作品も遊んでみたいです。
↓↓↓ここからネタバレあり。↓↓↓
■ストーリー
感動しました。他の方が書かれている様に本当に作りが丁寧。「ここは○○○の町です」みたいなキャラもいなければ無駄にイライラさせる様な展開も無いです。住人全員に話しかけなくてもストーリーは進みますが、これはあえて寄り道してなんぼのゲームです。住人との会話に対しても主人公やヒロインが面白おかしく突っ込んでくれる事があり、話しかけるのが楽しくなるゲームです。
終盤黒幕に追い詰められてからの逆転劇は非常に爽快感があり、気持ちのいいエンディングを迎えることが出来ました。
■グラフィック
本を投げたり花火を打ち上げたり一人一人に考え込む様なドットが用意されているなど、動きのある演出がしっかり作り込まれているので、シナリオの没入感が高かったです。
ただドットと顔グラフィックで少しイメージが違って見える人がいるのは引っかかりました。例えば主人公はドットだともっと痩せ形に、大臣はドットだともっと悪人顔に見えるのですが・・?
■バトル
簡単すぎず難しすぎず絶妙なバランスになっていましたが、弱点を当てた時はもっとダメージが伸びた方がより楽しめると思いました。
あとはモンスターグラフィックの統一感の無さも気になりましたが、極端にタッチの違う絵は外来種という事で理由付けされていて、なるほどなと思いました。
オプションでモンスターの出現頻度を調整できる点は良仕様でした。最初からエンカウントしない様に設定できるのはいいですね。宝箱の探索に集中したい時オフにしていました。
■BGM
タイトル画面のBGMが特に好きで、哀愁を感じます。タイトル用の音楽で終わらず、故郷でかかっていた音楽ということがゲーム内で分かると、アイビィが真実を求めようとする行動により厚みが増します。クレジットを見ると相当な数の有償素材が使われている様ですが、これでフリーゲームというのは贅沢なレベルです。
■総評
色々と差し出がましい事も書いてしまいましたが、すごく楽しいゲームでした。
ゲームそのものの作り込みももちろんすばらしいのですが、攻略ページの情報量もそれ以上にえげつないです。製作手記に小説まであって、この作品にかける製作者さんの熱量と作品愛が伝わります。他作品もぜひいつか遊んでみたいと思います。
会話が楽しいRPGは秀作
開かずの本や書物アレルギーといった架空の設定の出番が中心なので、ご都合展開になっているのが気になったものの、最初から最後まで無駄な部分が一切なくて、上手くまとまっていました。
キャラクター同士の会話が楽しかったです。
私はバージョン1.0をプレイしましたが、更新版ではボス戦がスキップ出来る様になるとのことで、バトルが苦手といった人にもおすすめ出来そうな作品ですね。
推理ものとしても楽しめるファンタジーRPG
ネタバレを含みます。
ラハシリーズでおなじみの作者さんの最新作。ラストまでしっかりと楽しませていただきました。
今回は王道のRPGではなくて災厄を起こした真犯人を解き明かすのが目的という一風変わったミステリー調のRPGですね。
相変わらず凄いと感じさせられるのは、隅から隅までとても丁寧に作られていることです。なにげない町の人との会話が伏線になっているだけでは無くて、同じキャラでも時間ごとに内容がどんどん変化していくのが細かくて面白い。
変身好きのモブが後日王様に変身して逮捕されていたり、駄目男のモブが最終的に離婚されかけていたのは笑いました。
主人公のアイヴィが未来に進むために真実を知っても復讐をしないという信条の持ち主で、犯人の正体が分かっても一切心変わりすることなく最後まで貫き通したのが男らしくてかっこよかったです。
個人的には故郷を滅ぼされた恨みを晴らすためにもう少しぶち切れてもいいんじゃないのかとは思ったものの、よくよく考えるとラウラやシャムの様な優しい子を前にしているので、そんな気になれなくなるのは納得。
ともかく素晴らしい作品でした。楽しかったです。
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