感想
ネタバレ含む
『何かが腐ったような、すっぱい匂いだった。』
千夏くん、めちゃくちゃ他人事みたいに言うなあというところから始まった
『ミキサーで液状にして』
やばい
『賞味期限間近の食パンをかじる。
遺体の悪臭をおかずにバターもジャムもつけずにパンをかじるが、
賞味期限が間近なこともあってか、ぱさぱさしていて美味しくなかった。』
絶対賞味期限のせいじゃないですよ
この後学校に行くのだが、加藤くんへ向ける千夏くんの言葉がちょいちょいひどい
『おしゃべりをしていた仲良しグループの輪の中に、空気を読まずに乱入する少年が居た。』
空気を読まずにって言ってるぞ笑
と言ったかと思えば
『ボクが密かにちょっと気になってる少年だ。』
と褒めるような何とも矛盾したようなことを言うのだが
加藤くんはクラスメイトに
『実際に自分が行う殺人にも興味があってーーーー』
と話す
クラスメイトは真に受けてないけど
この時千夏くんだけは真に受けてたんだろうな
サイコパスとは何かを律儀?に図書室で調べる千夏くん
『サイコパス
精神病質。
反社会性パーソナリティ障害……。』
『なんだか難しい言葉が沢山だな。』
同意見です笑
サイコパスって難しいのね
千夏くんの言葉に
『な、なんだ? フフフ…… サイコパスの僕に興味があるのか?』
と喜ぶ加藤くん嬉しかったんだろうな
ああ取り返しがつかないぞ
加藤くんは
『根暗ぼっち陰キャ』
と千夏くんを評価して
千夏くん自身も自分のことを
『ボクにはクラスで親しい人なんか誰も居ない。』
と評価していた
千夏くん一見すると大人しそうだもんな
千夏くんの家に向かう途中
加藤くんの話を聞く千夏くんの相槌が
『なるほど。そうなんだね』
『なるほど。そうなんだね』
『なるほど。そうなんだね』
やばいやばい
一応話は聞いてたみたいだけど
めちゃこわい
そんな千夏くんに気づかない加藤くんがこわい
それでも
千夏くんの家の話を聞いて
『僕は家にお邪魔して大丈夫なのか?』
と気にし出す加藤くん
なんか急にしおらしくて可愛いな
ファッションサイコパスになったのは何時からなんだろう
そのままの加藤くんだったら他にも友達出来そうだけどな
家上がったときも『失礼だったら悪いんだけど』と言える子だしなと思った
現場を見せられた加藤くん
に千夏くんが言葉を向ける
『うるさかったので、ボクは自分の手で加藤くんの口を塞ぐ。』
『加藤くん、よく聞いてね
ボクはお母さんとの暮らしに、お母さんの介護に、疲れてしまった』
うるさかったって、友達になりたい人に向かって思う言葉じゃないよ〜
口塞いでよく聞いてねってめちゃくちゃ犯罪者の独白っぽいな
『暴れる母なんかみたくなかった』
でも辛かったんだろうなと思った
加藤くんは
『あ、あ、あ…………』ですよねー
『殺人にも興味あるとかいつか人殺したいとか言ってなかった?』
千夏くん真に受けてましたね
加藤くんの醜態に
『うわ、汚ねっ……』
と言う千夏くん
でました
無慈悲〜
からの
『一生懸命解体作業を手伝ってくれた。』の褒め言葉
『お互いを拘束し合う、首輪。
だからきっと、僕らは死ぬまで一緒。
死んでも一緒。』
ただやっぱり1人で寂しかったんだなと
犯罪に手を出さなければ
世間は
千夏くんはただのひとりぼっちの大人しい子で終わってたんだろうなと思った
『ずっと、ただずっと、見つめていた。』
千夏くんには加藤くんがどう見えていたんだろう
この後どうなるんだろうな
読み終わってからちょっと気になったのは、
事件を起こしたのは3日程前とのことだけど
教室にいる時に加藤くんの様子を
『この間は『実際にあった世界の拷問&処刑』という本を読んでいた。
そっちはもう読み終わって、新しいのを買ったのかな。』
と見ている千夏くんがいて
多分だけど
犯罪に手を染めてしまう前から
心の中に少しずつ視界に入ってきた本などの情報も千夏くんのストレスを刺激していて
千夏くんは自分の様子を
『それでついボクもカッとなって、我慢できなくなって……』
って言ってるけど
割と感情的には些細な感情のストレスが募り募ってまた暴れたら今日実行しようぐらいにはなってたのではと思った
加藤くんを家に連れてくるときも、共犯者になってくれないなら加藤くんもと話していた面から
これも多分最初から念頭にあった考えだろうなと。
もしも犯罪になってしまう前に加藤くんに話しかけていたら違っただろうか。
それともそんな選択肢はなかったかな。
加藤くんを巻き込めばいいという発想は後からな気はするけど
ある意味加藤くんが流す情報が1つの誘惑となって
この流れは止められなかったのでは
と個人的には思いました
中途半端が一番困る奴
グラシアスさんはなんでこう、絶妙な痛い人を丁寧にパッケージングしてまとめるのが上手いのか。正直千夏君より冒頭の空気読めない嫌われてる加藤くんのが見てて痛かったです。
そのものズバリなシーンよりこっちが見ててツライ加藤くんのイキリ発言に淡々と同じ返答を返す千夏君のシーンが一番「あっ狂ってる、ズレてる」ってなって辛かったかもしれない。
コレ、千夏視点はともかく加藤君視点からも一応奇妙な友情になるのかな……どうなんだろう。
似非とホンモノの対比が良い
もうタイトル通りの内容。イキってしまったおバカな子が、「ホンモノ」に出会ってしまうお話。
オープニングからぶっ飛んだ情景が繰り広げられるので、文字だけで鮮やかに想像できてしまう感性豊か過ぎるひとは少しキツいかもしれません。
一本道ストーリーだから傍観者な我々はただ読み進めていくしかない。途中で「今なら引き返せるよ…」というスポットがちょこちょこあるのに何故か逃げようとしないから、避けられない災いをひっかぶるまで見守らされている気分。
登場人物がかわいいからか、それとも飽くまでプレイヤーは傍観者(他人事)だからか、そこまで悲壮な気分にはならないです。
- 1