さくっと遊べるSRPG
コンパクトにしてそれなりのボリューム感というのは間違いない。
ストーリーも奇をてらったものでなく、それなりに面白い。
気になるのは、メインストーリーとサブストーリーの順番について、メッセージに何らかの工夫をすべきだったのではないかという点。例えば、新人訓練はメインストーリー1の後でないと、メインストーリーの状況説明が意味不明になってしまっている。
そのほか、魔法屋も出す順番を工夫すべきだったのではないかと思う。
また、ゲームバランス的に魔法が強すぎ、というか、剣が弱すぎて、魔法使いがいないとまともに倒せない。おそらく、キャラクターのパラメータ上昇率が低めに設定されているのだと思うが、力が上がりづらく、リセットを繰り返さないと、キャラクターの大半が1,2ポイントしかダメージを当てられない事態で、特に「序」の位置づけのため、命中率も低く、ボス戦で詰むことになる。
惜しむらくは「序」だけで終わってしまうと何の伏線回収もされずということになってしまうこと。
登場人物等の設定や伏線のばら撒き方は結構面白かったので、続きを作っていただけると幸いです。
まさに道中でありました
とある傭兵団がとある町でとある謎に巻き込まれとある事件を解決に導くお話。傭兵団結成からの開始ではないため、既に色々と集まった集団を導いていくお話になります。
作者さまが既に語っていますが、作り込みの面ではマップが作られてなかったりするなど色々欠けているものはありますが、クリアまでバグもなく概ね問題なく、チュートリアルも繰り返すことが出来るなど、基礎設計で色々親切なのが良い点でした。
そこそこ難しく歯ごたえのあるSRPGを遊びたい人にはお手頃な難易度と規模になるかと感じました。
作り込みの面の不足が出てきて困る点、としては、情報不足、というところでしょうか。
思わせぶりな別のグループや町の別の傭兵団、お偉いさん方、町の人達、兵士などなど、傭兵団として情報を取れそうな面々との接触はストーリーを通じてほぼなく、彼らを置き去りにしてあっというまにお話は最後まで進んでしまう。
脇を置き去りにする場合、主要キャラストーリーがより大事になるのですが、そのストーリーを彩る、動かす主要キャラの基礎情報もまた不足気味。なんでこのキャラは恨まれてるのかとか、なんでこのキャラはここに居るのかとかとか、どうしてこのキャラはなんか後悔してるのか等々。故に、素性を明かしてくれない傭兵団にはなかなか感情移入がしづらかったです。
また傭兵団もその性質上小分けでの動きが多く各員も癖が強く全員揃うのはほぼないので、戦闘は小競り合いですべて終わってしまう。
とはいえ、個人的には上記の情報不足含めて、このあたりはタイトルの【道中】を上手く表せていていい作品と思っています。ですが、ずっと少数戦闘ならばSRPGというよりRPGでもよいのでは? になってしまうので、ゲームとしてはこのあたりの不足が気になりました。
ともあれ、ストーリーを纏めて初作品完成からの公開は本当に立派なことですので、まだ活躍しなかった傭兵団メンバーとか別の傭兵とかも含め、この世界はまた見てみたいものです。
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