夏だ、アイスだ、花火だっ!
青井えう様の制作された、田舎恋愛ADV、“ずっと一緒に――”の感想を書かせて頂きますね。
本作は大学生の主人公の悟が故郷に戻り、そこで知り合った果歩子と云う女性と共に、短い一夏を過ごすと云う物語。
タイトルだけを見ると、何となく切ない恋物語が描かれる印象を受けますが、確かに物語の本質はシリアスで泣けますが、笑い所も沢山用意されていて、明るい気持ちにさせてくれるのがポイントです。
悟の両親が思いっ切りテンションが高くて、癖のある人達で、序盤から中盤位まではそのクレイジーな言動で爆笑させてくれるのですが、終盤の重要なシーンで は、やはり親だからなのでしょうか、悟に適確なアドバイスを授けてくれ、決める所でしっかり決めてくれるナイスなキャラクター達でした。
他にも主人公の回想等で出て来るキャラのニックネームが、多分多くの方が知っているであろう渾名であり、しかもそのキャラの名字が出て来た時には、思わず吹き出してしまいましたね(笑)。
重くて切ないお話の中でも、笑わせてくれるシーンが多々見受けられたから、最後までプレイしようと云う気持ちになれました。
お話は悟と果歩子さんの友達のような、なりたての恋人のような、そんな甘酸っぱいやり取りが中心なのですが、時々悟が過去の出来事を思い出して、苦しみながらも果歩子さんに慰められて立ち直るシーンがあり、プレイヤーの心も切なくなります。
しかし、悟が果歩子さんにいっこの話をした序盤のシーンで、先の展開がある程度読めてしまうのですよね。
その後も果歩子さんが悟に投げ掛ける言葉がいかにも……って感じで、益々そうなんだろうなと思っていたら、やっぱり最後の展開はその通りであって、もう少しだけでもミスリードな要素を含めて欲しかったかなとも、個人的には思ったりしました。
ですが、やはり田舎ならではの特徴的なデートスポットが幾つもあって、夏や祭やお盆と云ったキーワードに心を惹かれる方には、とてもピッタリと来る恋愛ADVではないかと思いましたね。
若干伏線の消化不良だと思われる箇所もありましたが、悟のいっこへの想いが物凄くプレイヤーに伝わって来て、ラストは目頭が熱くなって来るシーンが待っています。
あのEDはハッピーエンドなのか、それともバッドエンドなのか、プレイヤーの感情に委ねられると思いますが、私は前者であると思いたいですね。
本作をプレイして、やっぱ田舎って良いな、夏も祭も良いな、青春って素晴らしいなと思いました。
私も昔の事を思い出して、何だかノスタルジックな気持ちになり、人生をもう一度やり直せたらな……なんて思ったりもしました。
感動物の恋愛ADVを求めている方は、是非ともプレイしてみて下さいっ!
それでは、これにて失礼致します。
無難すぎるほど無難
主人公が背負っている過去を割と早い段階で明かすところは好感持てますが
それゆえに意識しなくとも先が想像できてしまうし、実際想像通りだったので
何というか拍子抜けでした。裏をかいたりサプライズ起こせばいいってもんでもないですが
大きなヤマもなく(強いて挙げれば知人と再会するところか?ちと盛り上がり不足)終わった印象です。
主人公の抱える自責の念がそこかしこに出る割にそこに至った経緯説明がイマイチ不十分だったり
二人目のヒロイン(?)が単なるヒント係で終わってるところとか(苗字から推測するに
ヒロインの姉?にしては主人公気づかなすぎ)回収不足が気になりました。
「夏」「田舎」「祭り」等の設定のおかげで割といい話になってますが、これらの設定がなかったら
単なる凡作で終わりそうです、厳しい意見ですが。
文体や立ち絵等の技術面では合格ラインを超えていると思いますし、次回作への期待は持てるので頑張って下さい!
少々厳しい感想になりましたが、ひと夏のちょっとほろ苦い物語を楽しみたい方はプレイしてみてはいかがでしょうか。
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