プレイヤーもとぼけられることで、ほのぼのとした笑いを生むキャラたちとのやり取りを楽しめる紅葉谷。
Ver1.02
クリア時間 1時間40分
紅葉谷の「モミジの木さま」の頭が大変なことになってしまった!
近くで寝ていたリスのダラリスは「モミジの木さま」から頼まれて
「恵みのシャンプー」と「シャンプーハット」を探しに行く短編探索ADV。
マップを探索してアイテムを入手し、
出会ったキャラクターたちの困り事に対して
適切なアイテムを使用して物語を進めていく。
入手したアイテムがそのまま選択肢になるシステムが
特徴である。
「モミジの木さま」のマップから左に行くと
「恵みのシャンプー」関連のイベント、
右に行くと「シャンプーハット」関連のイベントが発生し
これらは独立して進めることができる。
片方を入手してから、もう片方を入手しにいくこともできるし
両方を並行して進めることもできる。
本作は入手したアイテムがそのまま選択肢になり
独立して進められるシナリオの構造上、
片方のマップで入手したアイテムがそのマップでは適切な選択肢になるが、
もう片方のマップで入手したアイテムを使っても
それに対する反応を見られることがある。
そのため、いろんな反応を見たい人は並行して進めるのがおススメである。
ハズレ選択肢は汎用のものも多いが、特に野菜や果物に関しては
別ルートでもアイテムごとに別の反応してくれるパターンが多い。
それぞれのイベントの終盤では、戦闘シーンがある。
ただし戦い方は通常の進め方と同じで
今まで入手したアイテムから状況にあったものを選択するだけである。
間違ったものを選択すると、左上の木の葉が減っていき
0になる(5回間違う)とゲームオーバーになるが
戦闘シーンの最初からやり直すことができる親切設計になっている。
リスや野菜やカカシが普通に話す、童話的なまったりとした雰囲気の中で
ところどころでコメディな展開が広げられる。
「モミジの木さま」は長老的な存在かと思えば、いいえを選び続けると
「このままではストーリーが進まんぞ。」とRPGの王様のようなことを
言ったり、もので主人公を釣ろうとしたり最初からなかなかに良いキャラをしていて
野菜たちも陽気、泣き虫、真面目など個性付けがされており
だからこそいなくなってしまうと、(特に残されたカカシが)切ない。
森の兄妹たちは我が道を行くキャラばかりなので
彼らのアドバイスに従うと物語は進むがなんだか事態は悪化していくような
スラップスティックな笑いを提供してくれる。
漫才のボケツッコミでいうところの、ボケに回るセリフが多く、
プレイヤー自身も間違ったアイテムを選ぶことでボケることができ
きちんとそれに対してキャラからツッコミが入るという
ボケることをを楽しむのに特化したゲームという見方もできる。
舞台がそもそも秋の森や農家というのもあるのだけども
それ以上に牧歌的なのんびりした和やかな印象を与えるのは
こういうキャラのセリフや、システムの魅力によるものだと思う。
木やリスやいろんな動物、植物が言葉を話し
そのセリフの個性もあり、牧歌的でクスりとした笑いを生む一作。
のんびりとした世界観が好きな人や
間違った選択肢を選んで色んなリアクションを見たい人向け。
アニメ化してほしい
このレビューには若干のネタバレを含みます。
「あああ~~~!! これこれこれこれ!! こういうゲームがしたかったんだよ~~~!!」という声がおもわずもれました!
最初から最後までほのぼのとしたわらいがたえない展開です。絵本や子ども向け番組が好きなわたしだとプレイして幸せな気もちになれました。
特にクモの兄弟が用意したプレゼントとニワトリのダンスがめちゃくちゃ好きです。あと泣いているモミじいがとてもかわいい……。なんなんでしょうかこの感情……。
素敵なゲームをありがとうございます!
次回作がございましたらぜひともプレイさせてください!
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