面白かった!
ネタバレというほどでもありませんが、一応そのような要素があります。
裏ボスと追加ボス二体撃破までやりました。結論を述べると、とても楽しかったです。
作中は一貫して陰々滅々な雰囲気で通しており、NPCの退廃的な台詞やマップに環境音だけを流す演出がより没入感を高めていると思います。しかし、戦闘が始まると一転して苛烈かつ熱いバトルになることは必至です。
アイテムや装備そして仲間などの所持数制限に悩まされること、APや状態異常に特化した独特の戦闘システムであることから、難易度は高い部類に入ります。もちろん、難しいだけあって練った戦術で敵を倒す快感はひとしおです。
ボス戦オンリーではありますが、どのボスから倒すか、どういった戦術をとるか、という悩みどころが多く生まれる、自由度の高いバランスが素晴らしいです。
紹介文にストーリーは「あってないようなもの」と書かれていましたが、決してそんなことはない、と個人的には思いました。本筋にはあまり触れないようにしますが、作中世界と、特にキャラクターの設定はかなり練られています。
このゲームはボスを倒して仲間に加える(所持品とする)ことができるのですが、彼らはほとんどのマップで、自身の生い立ちや思想など、ちょっとしたお喋りをしてくれます。多種多様な信念を抱えたボス達と戦って殺したあとに、その人柄を知ることができる、というプロセスはかなり面白いと感じました。
ここからは箇条書きで好きなポイントを挙げます。
・戦闘BGMが無機質?というかサイバーな感じでかっこいい。裏の方はメロディアスな曲が多いが、それもボスの雰囲気とマッチしていて良い。
・敵のターンに移ったときの台詞と語りの演出もとてもかっこいい。特に裏の人達のテキストがすき。
・設定とゲーム上の強さが噛み合っているのが良い。東の大ボスは特別感もあって盛り上がる(でも、裏の人の方が苦戦したかも)。
・耐性のない敵には必ず状態異常がかかり、攻撃は外れず、会心も痛恨も存在しない。そのためややパズル的な戦闘になるが、屑運で負けるよりずっといい。
・作中用語のネーミングセンスがすごい。「捨てる」や「ゴミ」に特化しているのでおもしろい。このゲームを始めようと思ったのは無印版スクショの「寒獄狙墜王ハイス」で何かを感じ取ったから。
・戦闘狂向けのゲームに見えて、キャラクターにも同じくらいの比重がある(と感じた)。顔グラは存在しないものの、かなり愛着が湧いた。特に元詐欺師さんと元騎士長さんがすき
最後に、楽しいゲームをありがとうございました。
2年ぶりの再開
*ネタバレを含みます
前回と同じく救済なしでAエンディングまで見た。あとは裏裏裏?ボスだけっす。
今回はちゃんとレビューしていきたい 前作からの評価・不満点と今作の改善・改悪点についてそれぞれ述べる。
不満点長いけど、ぶっちゃけ粗探しっす。名作すぎるので逆に粗が目立つと言うか。フリゲどころか市販RPGでもこの作品を明確に超えている作品は一つも無いんじゃないか? と思ってる。「フリゲアクションの代名詞が洞窟物語なら、フリゲRPGの代名詞は捨てるしかない」レベルで好き。いやまあネフェイストとかセラブルとか有るけどね。いずれにせよ、この作品が百点満点じゃないとしても、この作品の上位互換は存在するのか? という問には絶対にノーと答えられる。代替できない作品は質によらず名作なんだと思うんだ。
☆評価点
・類稀なネーミングセンス: 一番好きなのは獣殺しビニルブ黒(ブラック)! 生髄開竄や腥異物などもいいし、あとキャラ名関係に徹底的に捨てる系統の名前つけるのは本当に見事!
・垣間見える世界観: ネーミングもよければ付属する説明文もいい。星のうろのや死還術や神…どれもこれも飽きさせないし、設定だけで小説書けるよこれ! 神が全部死に絶えたから無神論が合理的に存在しうるってのは目から鱗! これを死者たちにナチュラルに語らせるように設定してるのもいい。あとは索死術でセーブを表してるところとか。ゲーム的なシステムを世界観とつなげるの大好き。
・魅力的なキャラ: キャラが立ってる、とはこのことだよね! ディスカードくんのなげやり感やスレングのズレてるところ、ヘンダブルトのイカれっぷり…神々のアレとか。まあ一番はカスたんだよね。顔グラないのにめっちゃ萌えるもん。
・素晴らしすぎる戦闘システム: これだよ! 俺はゲームをやりにきたんだ! 他がどんなによかろうとそれらは所詮調味料! RPGなら核は戦闘周り! そして文句なし! ここまで取捨選択を迫るゲームは寡聞にしてだが知らない! マジで「類を見ない」がそのまま当て嵌まる!
・「捨てる」という概念を貫徹している: ストーリーもシステムも何もかもが「捨てる」という概念から派生しているのは感心すらしてしまう。ホーカスやチャルを捨てるかどうか迷うくだりなんかは特にそうだし、殺し合いのうちに人情を捨てちゃうってのもいいよね。
・親切なシステム: 俺は面倒と困難を履き違えた作品が好きじゃない。だが、このゲームは各ターンのステータス表示やダメージ計算式・特殊効果などが明示されているから、純粋に戦略の試行錯誤を楽しむことができる! それに救済措置でとりあえず倒し方を試すこともできるし。
・多様な戦法: 周回するたびにいろんな戦法をとることができるから、飽きないし、最適解を見つけるだけ、ってことになりづらい。特にカスタサイド戦に大別して2通りあるのは良い!(最初は無印における瞬殺戦術ができないと思っていたけど、裏四配騎もヤればどうにかなったぜ! ディスカードに夜魔禍刃スィーガラもたせたけど、他の方法もあるのかな?)
☆改善点
・バランス調整: 物理系がかなり前より強くなったと思う。あと、フォルジェートが全体攻撃無効になったせいで、ヂス・トリブトが効かなくなってぶっちゃけ全力ウダル(Cエンドの方)や裏四配騎の一部より強くなってるのも良い! いわゆる設定倒れじゃなくってちゃんと強い敵が強いのが良いんだよね
・ストーリー追加: 無印における最大の謎と言えば「思をもたないムシシシ神が復活とか企てるか?」だったんだけど、それにちゃんとアンサーを与えたのが良いね。
・追加ボス: みんな新たな個性を持っているし、冒死術を破ってきたりと歯応えがあっていい! 神と戦うのも良いし、ちゃんと無印における設定補完にもなってるよね。
★不満点
・ツクール2000の限界: 確かに、デフォ戦でこの戦闘を作り上げたのは凄い。UIも全部元のものだし。でも、戦闘演出がダルいのとか、ダメージ乱数のブレ次第でリセットしなきゃいけないのとかは減点と言わざるを得ない。ぶっちゃけこの作品はツクール2000に収まる器じゃない。あとは敵の行動パターンとかの記録もしてほしいっちゃほしい。
・神ウダル(Aエンディング)が意外と弱い: カスたんの方が強くないっすか? カスたん倒してから数回挑んだら勝ってしまった…。確かに冒死術破りの連発や死んでも行動するあたりは凄いけど…
・というか冒死術が強すぎる: 無印からそうだったけど、今作だと物理火力が出やすくなったのとアイテム欄が後半2個増えるからホウルのAPや生存能力が上がったから、電撃戦がかなりしやすくなった印象。冒死術破りも使う奴少なめだし、破りも一行動使うし。それでも歯応えあるから、あんま弱くはしなくていいのかもしれんけど。
・周回システムがない: このシステムなら2周目からおまけ付けるとかもできると思うんだよね。前回の周回での取捨選択を記録したりとかも。ツクール2000じゃ厳しいか。あと世界観的にはおかしいし。
・色々チープ: 特に開始時点でメニューが開けないところで、メニューに横線引くの! ピクチャの表示とセリフ欄の表示が合ってない! 普通にメニューの文字の色を変えるとかで良いと思う。開始時の文字のかすれ消える演出がめっちゃ良いから、それがより安っぽさを浮き立たせている! 他はまあやっぱ敵グラがRドなのがね…。まあしゃーないけど、神がRドじゃないのは賛否ありそう。自分は否よりだが、まあグラフィックはコストかかるから仕方ないよなぁ。グラのチープさがフリゲらしさがあっていいという意見もありそう。
・atwikiの設定集を同梱してほしい: ゲーム内で完結するほうが俺は好き。
★改悪点
・裏モードの削除: ホウルくんあんなキツイ性格だったのか…ってのは良いんだけど(どう考えても一人称私のキャラじゃなくね?という解釈違いも多少ありつつ…)、セリフ差分の回収(とくにエンディング!)とかのために上限排除モードは残しておいて欲しかったかなぁと。あとシェントゥのセリフは消す必要なかったと思う。
あとはver1.02時点でのバグ?は以下のとおり
・ナベーデル戦のイベントマスの右下のドクロが進行可能になっているため、ナベーデルに話しかけられる
・腥異物を全部捨てたとき、丹田四辻のカスたんが消滅しない(宝箱は消滅する)
・神ウダル戦の手前のカスたんの救済措置が腥異物を回収してこないのに、四配騎→カスタサイド神化・カスタサイド戦の順番で行くと神ウダル戦にも腥異物が持ち込める(これは仕様かもしれないけど)
高難度な戦闘と、ダークな世界設定・魅力的なキャラクターたちが特徴のRPGです。
隠しボスまで約6時間でクリアしました。
1周目は2時間ほどでしたが、2周目は隠しボスまで挑戦したため、より時間が掛かりました。
とても熱中する作品でした。
高難度ではありますが、決して理不尽なものではありません。
解法が一種類しかないような詰め将棋というわけでもありませんので、プレイヤーそれぞれ、色々な戦術が通用しそうで面白かったです。
ちゃんとチュートリアルや救済措置は用意されているものの、それなりに難しめの戦闘が好きな人向けです。
ストーリーは控えめですが、想像を掻き立てるような気になる語句やセリフがたくさん登場します。
アイテムや仲間を得るだけではなく、捨てなければいけない苦しさと面白さが同居する、新しい感覚が味わえる悩ましいRPGでした。
腕に覚えがあるプレイヤーにオススメしたいです。
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