ぱっと見は、そっけない。適切な距離ってどのくらい?
※中盤のネタバレをやや含みます
みさきディスタンシングは、適切な距離を保ちながら30日間を生き延びるノンフィールドRPGだ、という情報と、ゲーム画面のスクリーンショットに惹かれてDLしました。プレイ時間は1周15分前後。
孤独で先細って行くのを感じる世界感ですが、それ故に一途で爽やかな読後感があり、短時間ながらも、とても心に残るゲームでした。
ゲームを開始して一番に目を引くのは、画面の真ん中に表示される「距離」でした。これは左側に表示されているベテラン男性の「ブルー」と、右側に表示されている新人の女性、「みさき」の「距離」を表していて、このゲームのシステムやストーリーにおいてとても重要な意味を持っています。
「はじめから」を選んだプレイヤーはまず、表示されるコマンドと、画面上の情報を確認することになります。何をすればいいのか?ということを理解しきらないうちに。
一見突き放されているような始まり方ですが、むしろ1度目や2度目のプレイはチュートリアルだと割り切って、様々なやり方を試しながら1日1日を消費し、距離が近すぎたり遠すぎたり、敵と遭遇して戦闘して負けたり……そうして繰り返していくのがいいのかもしれません。そのうち、プレイヤーがこのゲームの遊び方を覚え、適切な「距離」を測れるようになっていきます。
30日間を生き延びていく中で、みさきから送られてくるメールに返信してみたり、彼女以外にも個性豊かな面々から送られてくるメールを確認したりしながら、世界観を知っていく。これがとても楽しい。しかし中盤のボスがとてもやっかいで、ゲームに慣れないうちはここでまず一度倒されてしまうプレイヤーも多いのではないかと思っています。私がそうでした。
ゲーム内の通貨として、「証」というものがあります。これは敵を倒すか、探索することで得られます。そしてこれは武器やアイテムなどを購入するほか、セーブする時にも消費されます。つまりセーブは有限で、しかもその価値はそこそこ重い。「証」をアイテムに充てるか、セーブに充てるかを選択肢し、難所を乗り越える。セーブのタイミングや購入するアイテムの種類も、プレイヤーによって大きく分かれるでしょう。解法が一つではないこのゲームに、各々違った距離で臨めそうだ、と想像させてくれることが、このゲームの面白さを表しているのではないでしょうか。
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