絵本みたい。
ほんわかしてるけど戦う。
可愛い作品ありがとうございました。
淡い色合いの「メルヘン」な世界、でも所々に不穏な気配が…?
旅人さんから世界地図を貰って始まるロードムービー的RPGです。
船に、汽車に、気球に乗って知らない世界を旅する気分を味わえます。私は海底水族館が一番のお気に入りですね。
少しずつ明かされる世界の姿にも「知らない世界を知っていく楽しさ」が詰まっていると思います。
初めて海が見えたときの微妙な違和感に答えが出たときにはちょっぴりさえ感動しました。
パズルのような戦闘がとても楽しかったです。
どいてもらったいきもの(倒した敵)とのんきに会話できるのも、メルヘンな世界らしくほのぼのしますね。
注意しておきたいのは2点。
・なかなかショッキングなシーンがあります。
タイトル画面のぶら下がるロープに嫌な予感がしたら、そういうのが苦手な人は回避しておくのが賢明かと思います。
・「Undertale」の影響を受けているだけあって、…避けゲーがあります!!
失敗したら手加減してくれる優しさ、避けゲー初心者でも2回目のリトライでギリギリクリアできる程度の難易度ですが、それでも中断セーブなしで20分続いたのは厳しかったです。
毒も不条理も飲み込んだ、まさに「メルヘン」な世界。
ひとつ、観光気分で訪れてみてはいかがでしょうか。
まさに「メルヘン」そのもののような作品 良質などきどきとわくわくを求めるあなたに
※5段階評価形式でのレビュー
※ネタバレを微妙に含みます。致命的なネタバレはありません。
ストーリー:5 総じて、世界を旅するワクワク感や、散りばめられた謎の答えを知っていくドキドキ感など、終始、心がいい感じに刺激される場面が多く、とても楽しめました。特に、章はじめで章のタイトルが表示されながら乗り物のSEが流れるシーンが凄く好きです、とてつもなくワクワクしました。また、深くは触れませんが、あるシーンでは心臓バクバクで半泣きになりながら進めることになったりもしました。それぐらい世界観に入り込むことができた、ということでもあると思います。
会話テキストも全体的にユーモアがよく効いていて、マップを回ってNPCに話しかけるだけでも楽しかったです。
グラフィック:5 背景に見とれて思わずキーボードの手が止まってしまうことがよくありました。このゲームだけで、たくさんの素敵な空を見られました。キャラクターも、絵柄がツボというのもあり、みんなかわいくてずっと楽しく遊べました。アカのちょっと怒っているときの顔が大好きです。
サウンド:4 全体的に、あくまでも自分の好みとしては、曲そのものとしてはまずまずという印象ですが、どれも場面・ゲームそのものの雰囲気によくマッチしており、"バックグラウンド"としては十分すぎるぐらいよく機能していたと思います。
北極のマップの曲がとてもお気に入りです。
システム:4 UIについては後述していますが、概ね快適に遊ぶことができました。広大なマップでは足の遅さが少し気になることもありましたが、それでもダッシュなどは無いままの方が好きです。
おなかゲージも、RPG的な要素をうまくフレーバーに落とし込んでいて面白かったです。
あと、戦闘終了後にいちいち回復しなくても、歩いていれば勝手に回復してくれるのは個人的に凄く助かりました(逆に言えば、回復アイテムは若干死に要素になってしまっているとも言えるかも)。
オリジナリティ:4 戦闘システムが素晴らしかったです。はじめてアカ→シロの連携がうまく決まったときの快感といったら。スキルごとの攻撃範囲なども個性が出ていて面白かったです。氷属性が好きなのもあり、だいたいミラーフリーズばっかり撃ってた気がします。
逆に言えば、それ以外で斬新さを感じた点はあまりなかったです。
不満や要望、その他感想(あえて、感じたことを全てそのまま書きます。無視していただいて全然構いません)
・イベント後、行動可能になるタイミングが少し分かりにくかった(イベント終了時にも軽く暗転がほしい)。
・テキストで選択肢が出る場合は少しウェイトがほしかった(Zを押しすぎて選択肢を見る前に選んでしまったことがあった)
・装備関係のUIが少し煩雑に感じた。また、装備を変えても、それがどれぐらい戦闘内容に関与しているのか実感があまり得られなかった(あくまでもフレーバー的な役割な割には、少し複雑すぎるかなという印象を受けた)
(それならば、装備を変えると見た目も変わるとすごくいいと思った、またそれに付随したイベントとか
(とかげのシッポを付けてからとかげに話すとテキストが変わる、など))
・監視の目をくぐるミニゲームで、ミスをすると一番最初からやり直しなのが少しつらかった(中間地点のようなものがほしい)。
・ブドウのミニゲームが少し長く感じてだれた。初回はもう少し短くてもいいように感じた(初級と上級を用意するなど)。
・終盤ボスのHPが少し多すぎるように感じた。攻撃位置を記憶してくれる仕組みなどがあれば、緩和されるかもしれない(何度も同じ攻撃位置を指定するのが、戦闘後半で少しつらく感じた)(ぶっちゃけてしまえば戦闘はどれも負けようがないバランスなので、長期戦で最後まで緊張感を保つことができなかった)
・話しかけるとイベントが進んでしまうオブジェクトが見た目で判別できるとよかった、光の色が違うとか、NPCが光るとか(テキストを回収し損ねてリセットすることがよくあった)。
・ドアのSEが少し音が大きい
総評:5
Undertaleを一通りプレイし終わったとき、Undertaleの子世代のゲームもいつかは遊べるのかな、と思っていましたが、まさかそれがこんなに早く叶うとは思っていませんでした。作者さんがUndertaleをプレイして感じた"光"を、作者さんというプリズムを通して見たような、そんなゲームでした。
自分は「メルヘン」というジャンルには全く詳しくなく、それがどういう意味を持つ言葉なのかもよく分かっていませんが、イメージだけで言えば
時には心がちくちくざわざわすることもあるけれど、最後にはほっとあたたかい気分になれる。そういう意味で、まさしく「メルヘン」そのものなゲームであったかな、と感じました。本当に楽しかったです。
素晴らしいゲームをありがとうございました。長文失礼致しました。
これぞメルヘン。手作り感溢れる良質なRPG
クリアしました。verは1.01。
プレイ時間4時間51分。
・全体
タイトルに違わずメルヘンな世界観・シナリオが徹底されていて、
とにかく雰囲気の作り込みが素晴らしいゲームです。
見た目だけではなく、作中のキャラ・世界の設定までもが
本当に絵本に出てくるかのようなファンタジックなものが多く、
世界観の『メルヘン』は徹底されています。
自作のBGM、背景が更にそのメルヘンさを後押ししており、
『絵本みたいな雰囲気』という説明に偽りなしです。
・戦闘システム
ライ〇アライブと普通のRPGを足して2で割った感じ。
ほぼ全ての攻撃で攻撃範囲をプレイヤーが設定できるという珍しいシステム。
ですが、攻撃範囲が可視化されていて、直感的に行動を決定できるので複雑な印象はありませんでした。
ターン終了まで設定した攻撃範囲が消えない、行動順が分かる、
等細部でプレイしやすい配慮が光る、良いシステムでした。
・プレイ感・難易度
全体として一本道なので、迷うことはまずないです。
戦闘だけでなく随所にミニゲームも存在。
一部のミニゲームは、高得点を取ると称号を貰えたりと、中々面白いです。
飽きない配慮もされていると感じました。
難易度は高いらしいと聞いてむしろプレイした人なのですが、
フリーRPGをいくつかプレイしているレベルなら難なくクリアできます。
今は更に難易度が下がっているようなので、詰むことはきっとないはず。
全回復ポイントが多かったり、時間経過でHPが回復したりと、
うっかりしてもリカバリーが効くよう工夫されています。
・シナリオ・世界観
とにかくシナリオが素晴らしいです。
世界観に『メルヘン』が徹底されていると言いましたが、
それは単なるほのぼの・穏やかな楽しさのみを意味せず、
冒険を通じて主人公や世界観の設定に触れると、シリアスな要素も浮かび上がってきます。
序盤はキャラクターの謎な言動・意味ありげなシーンが多く、
設定のメルヘンさもあって全貌が読み取りにくいです。
更に、途中まで穏やかな雰囲気が徹底されているので、
不意に出てくるシリアス・謎に触れていく怖さといったものも演出されています。
ただ、そういった断片的な要素が最後に回収されて見事一つに繋がる。
細部が本当に作り込まれていて、非常に完成度が高いと感じました。
一つ『びっくり』させられるところがありましたが、
そこでも絵本みたいな雰囲気のまま、びっくりさせられました。
〇ndertaleとかプレイしていると、ちょっと予想がつくかも………
最後に、個人的なところなのですが絵が大好きです。
全てのキャラが可愛く、愛着が湧きます。
素敵なゲームをありがとうございます。
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