御伽話はハッピーエンドでなくては!
※ネタバレ多い、長い
世界観が好みそうだったのでプレイしたのですが、すごい良かったです! 物語としては短めにまとまっていますが、童話的詩的な台詞回しと雰囲気づくりの上手さで、お話と恋に落ちる過程がするりと受け入れられました。そこら辺の上手さで個人的にはどのキャラクターの言動も嫌な感じがしなかった。(良い意味の濃さだけ残って、みんな印象深いキャラクターになった感じ)
どのキャラクターも根っこから作り込まれていて、どうしてそういうキャラ(もしくはポジションなのか?)という意味を感じられて、(おそらく物語の趣旨とは違う例えになりますが)どの王子様と結ばれるのが正史だとしても違和感がないな~って思いました。以下各ルート感想
【マク王子】単純にキャラクターとして一番好みだったのは彼です。こういうキャラクターに弱いんですよね……。キャラ設定もですが、彼のルートは一番選択肢というものの意味を感じました。(全体的に選択の意味を作っている作品ではあるんですが)焦げ料理を食べるCGがすごいかわいかったんですが、あの選択は物語的には……(またそれも一つの結末ではあるんですが)何気ないイベントでの選択が、焦げた料理のように苦いものに至るか、成功した料理のように甘く熟成するか運命の分かれ目になるのが、詩的な台詞回しと合わせて綺麗に決まってるなあと。この作品、こういう結末に至る過程のセンスが良い。だからダラダラ~っと長くなくても満足感もあって入り込めたのかなあ。マク王子のハッピーエンドの、彼のささやか過ぎる願いはホロリとさせられた。それだけにあのエピローグの幸せは甘くて沁みますね! 彼は「お前が選んだ選択がこうした」というのが他の選択肢でも特に強く感じられたなあ(感想書くため寝るところのくだりとかやり直しても、そう思う)
【メイ】彼のこの呼び名に至る流れが微笑ましい。マク王子が童話の王道なら、彼は少女漫画的な王道でしょうか。マク王子が良い意味でハッピーエンド童話的力業なら、こっちはそういうのをキャラクターの力で否定して幸せになる、そういう王道ですね。不満なく甘くて幸せなのに、マク王子ルートと比較するとどこか現実を突きつけられた気持ちになる私は、夢喰姫より夢見がちなのかもしれない。このゲーム、どのキャラルートも結末として納得出来るビターエンドがあるんですが、二人ともキャラクターポジション的に王道だからか、メイ&マクはハッピーエンドのが心に残りました。
【魔法使い】魔法使いがヒロインのハミ姫へ至るまでの過程の心理が上手い。移り変わる執着。ここの流れは読みごたえがある。彼は王道童話的にはルートありえないポジだからか、ひねくれ者だからなのか、ビターな二人すれ違いエンディングのが印象に残りました(嘘偽の魔法使い~の方)魔法使いさんはこの中間くらいのエンディングが一番「らしい」って感じが個人的にするんですよね。確かにやらかしたことは酷い、でもどこか憎めない、絆されてしまうような隙や優しさがある……って感じで。彼の本当の名前は作中の雨のシーンの描写と合わせて、わかりやすく察せましたが、もらった名前の方が素敵ですね。
【旅人】えっ彼もちゃんとルートあったのか。って意外だったし、ハミ達との接点も意外だった。(魔法使いハッピーエンドルートで見れる背景のアレ何?とは引っかかってたけど)夢見るハミ姫としては、彼のような素敵な物語を語る詩人が一番興味津々だろうってことで、流れ的に一番自然だろうか(なんだかハミ姫のハイテンションがよく印象に残るルートだったような)彼も夢世界ハッピーエンドのが好きかもしれない、って言うと現実の彼が可哀想ですが。(いや現実の彼もかわいいし好みなんですがね)
どのキャラクターも良い点もあれば欠点や過ちもある、夢いっぱいの癒されるハッピーなおとぎ話である一方で、そういう人間くさい愛しさもあるキャラクター達に愛着を持てました。例えばハミ姫も寂しさや夢見がちな乙女趣味からいつも最善の行動ができるわけではない、でもおびえる少年にまずは話をしないとと優しく接したり、ハッピーエンドなら自分の過ちにもキチンと気づくことが出来る。私は攻略キャラだけでなくハミ姫みたいな女の子も好きです(まあ彼女の童話とお姫様大好きっぷりに共感出来る側の人間ってのもあるんでしょうが)
とにかく諸々のフィーリングが私に合うゲームでした。(作中で旅人の話聞きながら寝ちゃってたハミ姫よろしく、マジで寝落ちするまで夢中になってしまったw)あんまり素敵過ぎて某キャラにエンディングないのが残念なくらい。いや最後のタイトル画面的にも、本人の言動的にも、そういうポジションじゃないんだろうけど……作中の魔法使いにはルートがあって、彼にはないのは、彼は正真正銘、そういう立場にないキャラクターということなのかもなあ。とこの感想書きながらふと思った。
みんな仲良く幸せにくらしましたとさ、めでたし、めでたし!
●周回する事に意味があるシナリオ
●癖になる主題歌と世界観にあっている音楽
●個性的なキャラを引き立たせる絵
私は考察が苦手なタイプでして、
普段は隠し要素などを気にせず、作品のそのままを受け止めるのですが、
この作品に至っては、何回も周回する事により、さっきのキャラの言動はもしかして何か意味がある?と、繋がりを考えるのが面白い作品であると思います。
プレイすればするほど面白くなるゲームをスルメゲーと呼んだりしますが、この作品は乙女ゲームのスルメゲーですね。
正統派の乙女ゲームとはだいぶ違います。
シナリオが個性的ならキャラもとても個性的です。
金髪碧眼の正統派王子様であるマク王子でさえとても個性的な設定です。
主人公ハミちゃんと攻略キャラたちがいつお互いを好きになるのか、こういった心理描写は薄く、好きになる過程を楽しみたい人には向いてないかもしれません。
しかし、主人公ハミちゃんと攻略キャラの関係性はどういったものか、どの様に変化していくのかという所はとても面白く丁寧に描かれています。
そして、主人公の女の子が攻略キャラである好きな人の為に、行動していく物語はとてもキュンキュンしますね。
そういう意味で、これは乙女ゲームで間違いないと思います。
どうぞ最後までプレイして、物語の終わりを見届けてあげて下さい。
ここは夢の舞台。ハミちゃんとめでたしを探しに行きましょう。
……あれ?
もしかして、起動画面にいるハミちゃんの隣の子が気になりますか?
彼はHPでも紹介されてないのに、物語に突然やってきて、結構なパワープレイをしてくるんですよね……。私もかなり悩まされました。
全てが終わってもまだ疑問が残ったら【欠陥オルゴール】と検索して「愛の唄」「夢劇場」などを旅すると良いと教えてもらいました。
名前変更できなくなったのは何故?
これは見覚えあるなと思ったらいつぞや友達に勧められた体験版を思い出した。
完成したしやってみようかとDLしたら名前変更できなくて驚いた。体験版ではできてたのに。
乙女ゲームは絶対名前変更して遊ぶからがっかり。
私は×××!!
まず一番印象に残ったのは、エンディングテーマです。あのレトロな感じの曲が、ゲームの御伽噺がテーマという内容に、実にマッチして、素敵でした。後、やっぱりキャラ絵が可愛い!主人公のハミは、どちらかと言えばいらっとするタイプなのですが、それがギリギリの所で「可愛い」になってたのは、ひとえにキャラ絵の可愛さ所以だと思います。攻略相手は、正統派王子様、憎まれ口を叩く幼馴染、そして俺様?な悪魔とバラエティに富んでいます。が、選択式でストーリーが進むタイプのゲームである事、既に読んだ台詞は早送りできるシステムである事が幸いし、それほどエンド回収は困難ではありませんでした。個人的には、真エンドと思しきアレよりも、バットエンドの方が好みでしたw主人公の台詞等にちょっといらっとしながら、攻略相手の美しい顔を見ている間にストーリーが進んでしまう、素敵なゲームでした。
楽しい時間をありがとうございました。
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