勉強になりました。
ミゾレさんが好きです。
どっちに行っても綺麗なキャラクターがいてくれて
迷子になっても嫌な気持ちにならない。
素晴らしい作品ありがとうございました。
綺麗で緻密な世界観を楽しめるゲーム
短編ながらも世界観が作り込まれた、非常に美しいゲームでした。
繊細なストーリーに細やかな演出や綺麗なイラスト、作者のウミウシ愛を感じられるキャラクターは勿論、個人的にはこのよく練られた世界観を推していきたいです。
「それを知らなくてもゲームクリア出来る情報」は沢山あるけれど、基本的に与えられる情報はキャラの行動に繋がっていることが多く、得られた情報をメモしながら(世界観やキャラの行動の意味をまとめながら)2回目を遊んだほどでした。
そういう意味では点と点の情報を繋げる推察作業が得意な人は好きなゲームだと思うし、「すべて繋がった状態の情報じゃないと嫌だ、分からない」というタイプの人は些か不満の残るゲームかもしれません。
といっても、情報を繋げないと謎が残るゲームというわけでもないので、私としてはただただ「世界観の作り込み」を楽しんで欲しいです。
(ストーリー自体はとても分かりやすく難易度的も高くないので、ただゲームクリアをしたいだけの人は問題ないように思われる)
またツクール製のゲームは周回が面倒な印象がありましたが、本ゲームにはセーブ推奨地点を知らせるシステムがついており、またその演出がとても綺麗でストレスを感じることなく遊べました。
改善点を強いて言えば、言葉(言い回しや漢字表記)がやや難しめだった…のかな?他の人の考察を見たくて実況動画を眺めてたときに読めていない人が多かったので。
副読本も発売されていて、そちらも面白かったので是非。
ちなみに推しキャラはコスタシエラさんとリウくん(ちゃん?)です。
水中の淡い世界で「生」と「死」の描写により儚げな存在として描かれるウミウシが特徴的。
Ver1.02
クリア時間 45分
+18分(ゲームオーバー×2とサブイベント回収)
ニンゲンの男の子ハルに助けられ、交流の中で
「ルシラ」の名前をつけられたシラヒメウミウシがいた。
ルシラにとってハルは王子様のように恋い焦がれる存在で
今日もハルに会いに行こうとするが、
同じウミウシヒメのミゾレに妨害されてしまう。
それでもハルに会うために、海の魔法使いを探す恋愛短編ADV。
擬人化されたウミウシの少女が主人公で
舞台は海中のウミウシの住む広場で
水中の淡い世界観が特徴的である。
シナリオを進めるだけなら、特定の場所や人物だけを追っていけばいいのだが
世界観を把握するにはウミウシに話しかけたり、
図書室の本や様々なものを調べたりする探索ADV的な色が濃く、
そういった部分に物語の前提や設定が散りばめられている。
それゆえに、寄り道のイベントを調べていく方が
本作の主な楽しみ方の印象が強い。
シナリオというよりは、サブイベントで雰囲気を楽しむゲームに思う。
エンド分岐について途中に選択肢はあるが
エンディングとされている展開はあくまでも1つで
明らかに関係のない別の道に行ったり、ためらうような選択をしたりすると
エンディングではなく、ゲームオーバーになる展開が2種類ある。
本作のテーマとしてウミウシの「生」と「死」に重点が置かれているように思う。
「生」は屋敷の中央にある「ゆりかごの間」でサブイベントとして
「死」は海の魔法使いを探す過程にあるメインイベントで主に表現される。
「ゆりかごの間」のイベントは部屋に入ると強制的に始まる点で
ほかのサブイベントとは異なっており、
成体、幼生、卵の順で、途中で探索できる時間も設けながら
丁寧に説明していくあたり、結構力を入れて作られており
印象にも残りやすい箇所に思う。
「死」は誰かの死期が迫ると送葬花が咲き、
死ぬ前に送葬花を渡して「空に還す」。
人間の場合は土に還るという表現をすることがあるが
ウミウシの場合は「空に還る」と表現するのが
趣深いところで、(海中から見て)空に向かって浮かんでいく図を想像できる。
あと死ぬ前が穏やかではあるが、正に死期が迫っている描写として
リアリティがある。
サブイベントの「生」を見てメインイベントの「死」を見ると、
本作のウミウシは特に儚げな印象が強い。
恋愛面については瞬間的なロマンチックシチュエーション、
王子様に会うまでに困難が多すぎるために
会えただけで満足するタイプの恋愛でありそこをロマンチックに描写する。
ただ、個人的にさりげなく描写される
"初恋の終わり"の方がしんみりして印象深い。
また、本作のNPCのウミウシは一人一人デザインが違い、
きちんと全員に名前がついている。
クリア後に再び世界を回ることができ、
その時にはセリフが変わり、種族名と一言くらいのコメントが
ついている。その点で本作のプレイ感覚は
ウミウシ専門の水族館を回っているものに近い。
困惑しがちな点として、本作では
オープニングの場面の、ニンゲンの男の子に助けられる前から
主人公は「ルシラ」と表記されている。そのため、
"「ルシラ」というウミウシヒメの少女がニンゲンに助けられる話"と
初見では思いがちである。そうなると「ルシラ」という少女が
「ルシラ」という名前をもらったように見えてしまい、
ちぐはぐな印象を受けてしまう。
彼女のウミウシとしての名前は「シラヒメ」と
ネーミングの法則やミゾレのセリフから推測できるのだが
初見のプレイヤーはそこに至るまでにその前提が分からないまま
探索をしており、例えば「ゆりかごの間」のイベントでは
「ルシラ」のほかに「シラヒメ」という別のウミウシヒメが
もう一人いるようにも見えてしまう。
そして、もう一点、オープニングでは
(彼に)また会えるという独白で、会うのは二回目に見える。
ところが出会った当初では名前をもらうシーンはない。
「ルシラ」という名前をもらうってどういう意味なのかと
初見では思ったのだが
"少なくともハルともう一回以上会っていて、そこで名前を貰う場面があった”
とまではなかなか分からない。というのも、クリア後の解読で
実はこういうストーリーだったんじゃないかとようやく気づいた。
この二点は、シナリオの大前提であり、説明文でも触れられているため
クリア後まで伏せるような内容ではないと思われる。
オープニングの描写からはその内容が上手く伝わらず
「ルシラ」という名前を使うたびに、一部のウミウシたちが
なぜ良い感情を示さないのか、その実感が
プレイヤーに伝わらなくなってしまっているように思う。
設定やシナリオはプレイヤーが探して考察しなければ
伝わりにくい部分もあるが
美しい水中感やウミウシたちの儚げな生死を耽美的に味わえる一作である。
困難ばかりで出会えただけで満足できる王子様を求める恋愛が好きな人や
いろんなウミウシと会ってみたい人向けといえる。
世界観がたいへん素敵です
大変に素敵なお話を読ませていただきました。
最初惹かれたのは、可愛くて優しい色合いのタイトルイラストです。
ゲーム内もその期待を裏切らず、光や水草が優しい色合いで描かれていて、
その中を波紋や足跡を残しながらゆったり歩くのが心地よかったです。
そしてストーリーを勧めるにつれて、
いろいろなウミウシの特徴を取り入れて作られたキャラの魅力といい、
その特徴を活かした美しいシーン作りといい、
丁寧に作られた世界観にどんどん入り込んでいきました。
ルシラとハルくんはお互い優しくて純粋な心の持ち主だからこそ、
二人の逢瀬シーンはしみじみと心打たれました。
キャラみんな好きですが、個人的にはクロヒメちゃんのキャラデザと、
コスタシエラのキャラ設定が非常に好きです。
優しくも切ない世界観を味わいたい人へ、
ぜひオススメします。
絵が凄く綺麗!
ウミウシが可愛い女の子や素敵な殿方に擬人化されている、切ない悲恋ものです。ストーリーとしては、人間と動物の悲恋物で、そう目新しいものではありませんが、
・人間に恋するのがウミウシであること
・絵がとにかく綺麗
な点が良かったと思います。
何度も書きますが、絵が凄く綺麗!アニメーションも、歩く度に波紋が出たりと、とても凝っていると感じました。
ただ一つ難点を上げれば、この恋、成就して欲しかった・・・!!最後のエンディングで主人公の名前を連呼するところで、思わず胸に迫るものが・・・。
いや、人間とウミウシですよ?後鰓類ですわ、哺乳類とは判り合えませんわ。それでも、それでも・・・っ!と、思ってしまいました。
作者さんはこれが初めてのゲームとの事ですが、是非、次回作も楽しみに待ちたいと思います。
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