綺麗で、どこか不思議な世界
最初のプレイは正直怖かったので、あまり印象はありませんでした。
けど、いろんな選択があり、そこで別の選択をしたらどうなるのか気になって、ついついその道を何度も通ってしまいます。
自分は赤の方も青の方も好きで、ちょっと怖い時もありますが、思わず相槌や返事を挟みながら、話を進めていきました。
トゥルーエンドをうっかり到達した時は驚きましたが、少し嬉しくて、感動してしましました。
ところが、赤口様の話は知らないんですが……。
仄暗いけど、どこか優しい掌編ゲーム
登場人物の素性はわからない。
舞台がどこかもわからない。
そもそも主人公はプレイヤーなのかそれともまた別の誰かなのか、それすらも曖昧という、ふわふわと不思議なホラーノベルゲームです。文章量は結構あるものの、読むことが苦にならないくらい引きずり込まれる作品でした。
軽妙な語り口の理屈屋さん+αとのお話と分岐によって変化する16のエンディング、垣間見えるイラストスチルがこちらの想像を掻き立てますが「コレ!」といった明確な正解は出されません。
「つまりこういうことなのかな?」という予想・考察はできますが、謎は謎のまま。だがそこがイイ……
プレイヤーに、まるで長年の友人のように語り掛けてくるキャラクターとのやり取りもとろとろと穏やか。EDコンプ後も、ふとしたときにプレイし直したくなる心地よさはクセになりますね!
ゲームをプレイするというよりは「文章を読む」という印象が強めですが、この作品の雰囲気はゲームでしか味わえないのでは。仮に小説や、また別のかたちで読ませていただいたとしても、ここまで面白味は出ないのでは、とも思います。本当に、本当に不思議なゲームです。
脅かし要素などもないので、ホラーが苦手な人でも気負わずプレイできるのではないでしょうか。
ただ、タイトルにもなっている「赤口様」についてググってみたら結構怖かったです。初見だったからかな……
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