序盤はなんだか、不思議だな、わからないなと
思いながら読んでいましたが
MOPとは何か、なぜ彼らがこの学校、島にいるのかが
判明してから一気に引き込まれました。
そして最後まで夢中になって読みました。
本当に、読んでいて切なくなりました。
こんなに、登場人物達に
「死なないで欲しい」と願ったのは
久しぶり……または初めてかもしれません。
彼らはもう、逃げ場のないところに追い詰められていました。
ですが、最期まで生きた。
強いものより強く生きた。
弱いなら、強くないなら死んでいい
という考えをお持ちの方もいるでしょう。
弱肉強食という言葉もありますし、
競争こそ成長だと考える人もいるでしょう。
ですが、彼らの生きた証を前にすると
その考えはきっと変わると思います。
心の弱さを抱える方に、ぜひプレイして欲しいです。
心を打つセリフや展開が必ずあると思います。
以下ネタバレを含みますのでご注意ください。
我々は自分の人生を生きているのか、それとも惰性で呼吸をしているだけなのか、そんな作品でした。
MOP患者である主人公たちは人との関わり方に起因するそれぞれ特徴的なトリガーによって死へと近づいていきます。
人と関わって、あるいは様々に悩んで生きていくという正常な我々にとって当たり前の生活が、彼らにとっては劇薬となってしまいます。
傷つかないように、傷つけないように他者と適切な距離を置き一人閉じた世界の中に生きるようにする、それが延命を目的とした医療行為、としては最適なのでしょう。
しかし、それによってMOPが快復することは決してありません。
では、むしろ患者の観点からは患者達を好きなように交流させた方がいいかというと、そこまで簡単ではありません。
お互い傷つけあい平穏な終末を互いに奪ってしまうかもしれないし、結局は患者自身が自分ですべてを抱え込まないといけないのは変わらないと思います。
それでもそうすることで、それが満足のいくものであるか否かは別として、少なくとも各々最後を自らの手で選択することができたのだと感じます。
彼らの終末の迎え方は、それを見届ける者があってはじめて意味をなすのだと思います。
そして涼一は彼らの終末によって、はじめて生きるに足る理由を得たように感じます。これは涼一が生きたという物語なのかもしれないと感じました。
どこか醒めた視点で書かれた文章が全体を引き立たせてる素敵な作品でした。
我々は他者と関わることで傷つきあいながら、でもその中に自分の意味を見出しながら生きていくしかないのかなと読みながら考えました。
ありがとうございました。
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