※ネタバレ含む
クリア時間 11分(両方のエンドを回収)
少年ケイが秘密基地で出会ったお姉さんとの
やりとりを描いた掌編NOV。
キャラ面について、ヒナノがミステリアスな女性で
自分のことを幽霊だと言い、
人間って生きているだけで色々と減っていっちゃうという
意味深なセリフも多く、少年について様々なことを嘘という。
つかみどころのなさという点でも幽霊という表現はしっくり来るもので
こんな謎に満ちたお姉さんに翻弄される少年というのが
プレイヤーが最初に見る本作の構図である。
ケイの方も笑ったり子ども扱いされると怒ったりと
表情がころころ変わって魅力的で
特に、マフラーを買うために
お手伝いをいっぱいやろうという発想にたどり着くのが
少年らしさが出ててかわいらしかった。
本作はエンディングが2つあり、
選択肢が2回作中に表示されるのだが
その2回とも「嘘つき」を選んだ場合と
1回でも別の選択をした場合で分岐する。
ヒナノのミステリアスな部分の種明かしがされるのは
前者のエンディングで、こちらがハッピーエンドになる。
「嘘つき」という言葉が彼女にとってどう受け止められていたか
そのあたりの心情が面白い。
他方で、後者のエンディング(こちらを先に見た)
もなかなかに味わい深い。
こちらは全ては謎のままで、お姉さんとの交流が終わってしまうのだが
お姉さんは本当に幽霊だったのかもしれない、それでも
ケイにとっては間違いなく思い出に残る
不思議な出来事だっただろうなぁという
こちらを先に見るとそういう余韻がある。
つかみどころのないお姉さんと真っ直ぐな少年のやりとりが
楽しめる一作で、そういうおねショタ的な会話が好きな人向けといえる。
- 1