短編SF
短編のSFもの。冒頭はちょっと唐突な感じでついていきにくかったです。天使の登場とか旅に出る流れとか設定の出し方とか。読んでくとテンポに慣れる&面白い展開になっていって、退屈せず一気に読める面白い作品でした。
最序盤乗り越えて見えてくる世界&人々の様子なんかは面白くて、死にたがり、ゆりかごなんかの設定はほほう、ってなりました。ここからの展開は上手で、結構予想つかない感じに設定出してくるから読むのが止まんなかったです。文章も小粋で上手で読みやすいですし。
練られた設定にしっかりと回収された伏線、世界設定・キャラ設定を生かした面白い危機的状況の乗り越え方など、大筋は文句なしの作品でした。一方でテンポ重視というか、プレイした作者の方の他のゲームのような、キャラの行動にグッと来たり涙するシーンはあまりなかったかも。キャラ(特に主人公)の心情があっさりしてるというか。主要人物全員いい人でカッコいいとは思うんですけどね。ラストも良い終わり方なんですが余韻に浸る間もなくスッと終わる。
文章がくどくないから大筋の話に集中出来たし読みやすかったのはあるんで、長所と短所が表裏一体な感じかも。短編SFノベルとしては話もわかりやすく設定も展開もギュッと詰まっていて、とても面白い作品でした。
色々と惜しい
ver1.01でプレイ。1時間ちょっとで完走しました。
良いと思ったところ
・ところどころの各台詞の言い回し。
・『天使』や『神様』の存在理由、物語背景、『ゆりかご』『死にたがり』などの設定。
・上記の謎が主人公に明かされる部分。
・タイトル画面とエンド画面の対比。
気になったところ
・シリアス風とコメディ風の切り替えが一瞬で付いていけない。特にBGMの切り替わりが極端すぎる。間を置くなど色々やり方はあったと思う。
・BGMが全体的に作品の雰囲気に合っていないと感じる。
・タイトル画面から各章を選択できるが、どこからどこまでが何章なのか、プレイしていてわからない。各章が終わったとき、あるいは始まるとき、何章なのか画面に表示してもよかったのでは。
・展開が色々急で、プレイヤーが置いてきぼり気味になっている。例えば、最後あのように親友を出すのであれば、出番を増やしたり強調させたりした方が良いのでは。
・『永久機関』を壊したい動機以外、主人公を良く思える部分がなかった。かっこよく書こうとして上手くいっていない?
あくまで個人的な感想ですが、全体的にノベルゲームという長所を生かしきれていないと感じました。
小説に特急で背景と音楽を付けたような印象でした。
また、展開のノリに付いていけないところも多々ありました(例:天使が主人公の部屋に入ってくるところなど)。
物語背景などの材料は良かったと思うので、次回作はもう少しノベルゲームらしさとプレイヤー目線を意識してみてはどうでしょうか。
次回作もプレイしたいと思います。
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