クリアしました
溶岩の洞窟19階で挫折しちゃいましたがストーリーもゲームも楽しかったです。他のゲームもこれからやらせていただきます楽しみです。
メッセージ表示の妙、カロンの撃たれ弱さ
OPは制御文字「\^」が駆使せられ、本編に入るとそれが用いられなくなり、「愈々冒険に入る」という実感が湧きやすい。
EDに突入するとやはりその制御文字が駆使せられることとなり、「戦が終わった」と吾々は安堵の息を附くこととなる。
一行目のキャラクター名につき、「\>」を駆使して瞬間表示すればもっと間合いが良くなろう。
サブイベントが諄々しく感ずる。
殊に序盤、「西へ向かえ」という重要メッセージに加え、あれやこれやと背景にまつわるイベントが展開せられると世界観の理解に四苦八苦することとなる。
制御文字「\^」が用いられなくなり、本編に突入してからマニュアル操作が出来るまでの間隔が冗長。次第に「いつになったら冒険を始めることが出来るのか」という苛立ちに変わってしまう。
制御文字の間合いの妙が感ぜられるだけに惜しい。
所謂チュートリアルの要素が諄々しい。
瑠璃の杖を祀る塔地下に於ける、女神像の上半身をはめ込むイベントなど、一目で見当は附く。
そこまでしてシステム説明に力を入れるならば、話の経過と共に町人の台詞を変遷させるべきである。
殊に盗賊の巣窟から帰還し、船長が橋を通せんぼしているにも関わらず、「船は橋を渡った向うにあります」と発し続けるのは興醒めこの上ない。
過剰説明する暇あらば、主人公ユウの台詞を設けてほしくもなる。
このゲームに於いては、「re_記憶」に同じく、主人公の台詞はアイコン表示にて処理せられる。
「re_記憶」が如く、冒険と自由度に重きの置かれた軽めのストーリー構成ならば納得がゆく。今回のストーリーは結構重みが在るわけで、アイコン表示にて会話を済ませんとする主人公はどこか常識知らずに感じてしまう。
「あなた、どう思う?」と問われ、沈黙アイコンだの電球アイコンだのにて済ませんとする行為は、実社会に於いては馘りに相当しよう。母親の居る前でそれをせられると、「一体コイツはどんな教育を施しているのか」という怒りを芽生えさせずには居られない。
然る主人公に対し、周りが「どんな時にも優しく接してくれた」などと褒めたたえても、実感が湧かない。別に小生はそのつもりでプレイしているわけではない。
仲間に対して自己紹介をする折にアイコン表示にて済ませんとする行為は非常識極まりない。そこは万人が普通に名前を言うべき箇所であり、その思想良心に千差万別もクソもあるまい。
主人公を喋らせないのは、プレイヤーに感情移入をして頂く魂胆によるものとよく言われる。事実無根甚だしき、小生の最も大嫌いとする手法である。感情移入が出来ないのは、自分の理想や思惑に合致しないからに過ぎない。然る少数者の意見など無視し、製作者は自身の信条に忠実であるべきだ。
この主人公の名前、「もう誰も愛さない」(CX)の最終回に登場する卓也と美由紀の赤子に同じ。ストーリー展開を紐解いていると奇妙なる因縁を感ぜずには居られない。
実際に、「あんたは(本当に)優しいのね」と言われたり、優しい者という扱いを受けて来る場面が出て来るわけで、命名の由来がくりそつ。
「優しい」というよりは、単に「マザー・コンプレックス」という気がしなくもない。
「ダブルマザー」(東海テレビ)の雅人くんを髣髴させる(殊に最終回は主婦の理想を意識し過ぎた孝行息子という描写になっていて視ていて本っっっ当にイライラしたのを思い出す)。
母親イリアは驚愕するほどに若さあふれる風貌で、「その灯は消さない」(東海テレビ)の坂口良子のオマージュかと突っ込みたくなる。
一層のこと、ユウは「ケンちゃん」と改名し、カロンに「母親がステキなんだ」と吐露させてみたくもなる。
そのユウを特別なる存在として意識しているかのような素振りを若干見せるカロン。
此処の概説にも在るが、その撃たれ弱さは想像を遥かに超越するほどに半端ない。
魔法攻撃は、装備次第にて無敵状態と化すが、物理攻撃は永久にすこぶる喰らい続ける。
終盤戦、せめてHPが上がってくれたら・・・と苛立たずには居られない。
ユウのことを「優しい」と形容したくば、ユウには撃たれ弱きカロンを何とかすべく、「身代わり」属性を加味するのも一案だ。
攻撃力は、初めは「星をみるひと」にて「れいがん」を装備してしまった悪夢を過ぎらせるほどに絶望的なるものであるが、ある時点より飛躍的に強くなる。
この関係で、敵一体に有効なる攻撃魔法の存在価値の大半が喪失する。「バースト」が所々役立つことがある、といった程度。
攻撃魔法は、バースト系(おそらく無属性)と、炎氷雷の3つの属性を帯びるものを覚える。
今回は、ひょっとすると特定属性であらねば斃せない者が居たやもしれないが、それと思しき者は、攻撃補助魔法を駆使し、その隙に瞬殺することが可能であり、特定の属性を考察する意義が殆ど無い。
単に紛らわしさに一役買っているだけ。
せめて終盤戦にて特定の属性を帯びていて、特定の属性以外は吸収してしまう、というモンスターを拵えるべきではなかったか。
ダイヤシリーズを、「ドラゴンスレイヤー英雄伝説」に同じく、炎属性に極端に弱い防具とするのも一案だ。
魔法は敵一体に小ダメージ、敵全体に中ダメージ、敵全体に大ダメージ、といった段階が組まれる。
その中ダメージの攻撃魔法であるが、ゲーム序盤から中盤にかけてのゲームバランスを崩壊せしむるほどの凄まじき攻撃力を有する。
結構なる所持金を秘めるモンスターがあっさり中ダメージ魔法に斃れるわけで、その気になれば高価なるアクセサリーを普通に買えてしまう。
中と大ダメージの間に「敵一体に大ダメージ」の攻撃魔法を拵えるべきではないか。
大ダメージの攻撃魔法を覚え始めるときは、ユウとブライアンが凄まじく強くなっているときであり、大抵は「全体に中ダメージ→その二人の物理攻撃」という流れにて斃せてしまい、出番が無い。
最強魔法であるはずのギガバースト、溶岩洞窟に夢中になっているとラスボス対決前後に覚えるほどの遅さで、残念ながらラスボスの魔法防御が大きめということもあり、さっぱり役に立たない。
カロンはご丁寧に、魅了状態にしたり、沈黙させたり、眠らせたり、という、あらゆる攻撃補助魔法を覚える。「ストップ」以外は全く役に立たないものと視て差し支えあるまい。
攻撃力、魔法力、防御力などを下げる、カース系統の補助魔法、これらはラストバトルには極めて重要。
終盤戦になると、こちらが頑張って上昇させた攻撃力等を抹消してしまう技「クリアマジック」が登場する。その技は、自らに降りかかった攻撃力等の値の減少には全く感知しない。斯くなればカロンの存在価値は非常に増し、エターニアの攻撃力等上昇の攻撃補助魔法の存在価値は喪失する。
「カロン」と言えば、DQ4第5章の魔人像にて登場するザコキャラであり、SMB3の砦にて登場するボーン(骨だけ)ノコノコでもある。その世界観に慣れている者にとってはどうにもぎごちない。
「クルム」の名の方が本人のイラストのイメージにピッタリという気がするが、その辺は如何に処理せられているのか、興味深くはある。
このカロンを助け出し、あの村へ連れ出すイベントがオートなのにはぶったまげる。何故に日本ファルコムを真似るか。
ここはマニュアル操作にしても支障は来たすまい。疲れていると言うなら、猛毒なるものをぶっかけ(HPの逓減速度を高め)、実質死亡状態にすれば良い。
エターニアは、男勝りを演じたかったのか、兎に角口が悪い。
小生の観るところ、普通に男性そのもので、イラストを無理やり女性風味に差し替えているようにしか感じない。
そこだけジェンダーフリーを意識するのは何ゆえの魂胆あってのことか。MVのキャラクターデザインは、男女の判別がし難いものが多く、この手の「オトコオンナ」は感情移入の大いなる妨げとなる。
このゲームに於いては「あほ」「ぼけ」という罵倒文句が用いられるが、この手の話にその文句は世界観を崩壊させるだけ。普通に「バカ」を用いるべきである。
PW入力シーンが登場するが、失敗時は「星をみるひと」に於ける「てれぽーと」失敗時が如き措置を採るのも面白かろう。
モンスター陣営は、装備を整えるまでが強い、といった印象を与える。
殊にシレーヌ北西、ハーゲン山脈を登らんとする所のモンスター陣の全体魔法攻撃は凄まじく、不意討ちは全滅フラグに近き脅威を有す。
そこで救済手段となるのが自由選択制となっている「溶岩洞窟」。
行かなくても良いと強調せられるが、実際は行っておいたほうが良い。
序盤戦は金銭の入った宝箱が充実し過ぎており、余りにも簡単に所持金が貯まってしまう。
巧くやり繰りすれば、お店よりも強力なる武器防具が無料にて取得出来てしまい、お店の有難味が喪失するどころか、一部のモンスターの存在価値も喪失する。
「金の狼」が顕著で、敏捷性は高くて逃げにくく、攻撃力は(溶岩洞窟を利用しないことを前提とした印象で)0が当たり前、という異常事態に出くわす。カロンのみ撃たれ弱い。
カロンの撃たれ弱さが思い切った強さを打ち出すことを阻んだ、ということはなかろうか。
ラスボスは、攻撃力等がそつなく高く、カロンのカース魔法連発によりあっさり解決出来てしまい、「re_記憶」ほどの強烈なる印象が無いのは惜しまれる。
金銭は、終盤戦が貯まり過ぎ、序盤戦は貯まりにくい。「頭脳戦艦ガル」の難易度設定を髣髴させる。
何故に終盤になって突如1万Goldもの入った宝箱を多数差し出すのか。
ここのアクセサリーは、例えば「MP上昇」だと、本当にそれだけしか果たしてくれず、柔軟性が効かないわけで、それほど有用性が在るわけではない。
「re_記憶」が如く、最後の最後にステータスの調整が出来る、というわけではなく、ラスボスはカース魔法が鍵となるので実際はアクセサリー類は役に立たず、7万を超越し得る所持金は糞の役にも立たない。何とも腑に落ちない事態である。
所持金を盗み、それを投げつける、というモンスターを拵え、所持金を有し過ぎることの脅威を持たせるべきではないか。
ハーゲン山脈は、本当に長くて険しく、道は似たり寄ったりで迷いやすく、回復所なるものは一切設けられておらず、ゲーム中一番の難所である。
道具屋が全土一律「ポーション、ハイポーション、アンチドーテ」一辺倒で本当に苛立たせられる。
そこの東の道具屋は7000Goldくらいでマジックウォーターを取り扱っても良かったろう。
ディスペルハーブは「re_記憶」に同じ仕様。今回のモンスターはストップや毒かけが主体ということもあり、ラスボスがストップを用いないこともあって殆ど役に立たない。
一番の脅威は「魅了状態」。これをユウやブライアンが受けると、カロンは即死確定。このゲーム一番の抱腹絶倒箇所である。
このゲームはブラウザゲーム。小生のPCとの相性が悪かったのか、大きなサイズのモンスターに対する攻撃の読み込みが遅いことがある。殊にラスボス戦はそれが余りに顕著で、死亡時の消滅エフェクトの処理もやけに遅かった。
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