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ネタバレありです。
バージョンは戦でプレイさせて頂きました。
シリーズ物の一部目であり、三部に跨る物語のお披露目としての作品に当たる本作では、当然のことながらキャラクターの生い立ち等、不明瞭なままの謎や回収されない伏線は随所に残されたままで幕を閉じましたが、しかしながら、この一部目時点において、主人公一行を三作目のエンディングまで誘導する程に見合うような大きな目的は、作品世界の何処にも見受けられず、当該作品に於いて既に一つの物語としての完結を見ているような所感を抱くようでもありました。
シリーズ物と銘打たれた一連の作品にはその全体に関わり、その全体を通して達成されるべき大きな目的がまさしくシリーズ物である所以として欠くべからざる要素であるだろうという個人的な考えを持っております、おそらく次回作でも取り上げられ全編を貫く重要なテーマとしては、本来相容れない存在である人と霊との交歓が挙げられるかと思いますがそれも今後の具体的な行動方針も示されずにいて、また、この先の展開を仄めかすキャラクターの登場や出来事等も起こり得ないままでしたので、プレイ後はここから次回作へどのようにストーリーが展開されていくのか、更に広がる世界への好奇心というよりかは、単純な疑問という形を取って頭を捻ってしまったというのが率直なところです。
取り分け三部作という短いスパンで一連の物語が綴られるならばその一端でも本作で示されていれば、プレイヤーとしてはより次回作を手に取ろうというモチベーションに繋がったのではないかと考えました。
上述の考えは、否定的な文脈で語ってしまいましたが、あくまで個人的な意見であるということを改めて述べておきたいと思います。例えシリーズ物であっても、間口の広さを意識してどこから遊んでも楽しめる一話完結型のような話作りを意図した作品群は少なくありませんし、また、次回作へのプレイ意欲という観点から再考してみれば、たとえ次へ繋がる目的は不明瞭なままであっても作品は上質な完成度を保っているように見受けられ、当初浮かんでいた疑問は好奇心ならずとも、これ程のゲームを作られる人なら半ば完結しているようにも思えるこの地点からの舵取りも容易いことであるだろうというような、高い期待感へと様変わりするようでもありました。
戯れ言はともかくとして、本作の具体的な部分へと踏み込みたいと思います。
時代設定としては大正時代、明治が西洋文化の流入した文明開化の過渡期だとすれば、大正はその文化の熟成の時代であると思います。僅か15年の侘びしい時代ですが、主だった出来事としては、日本は戦地にこそならなかったものの第一次世界大戦の勃発や関東大震災があり、また都市や芸能文化に関しては現代の下地を形作ったとも言えるような著しい発展を示しており、あるいはどの時代もそのようなものかもしれませんが、総じて混濁した社会情勢であったと言えるかと思われます。そして、タイトルにもエンディングの仕掛けにも桜が使われていますが、この花が日本の象徴として扱われ始めたのも大正時代だそうですね。以上は、ネットで得た大正時代のさもしい知識をゲームと関連付けられそうな部分のみ語ったものです。実際、このゲームの世界観が正確に大正時代を反映しているものであるのか、知識不十分により殆ど検討がつきませんでしたが、少なくとも自分の想像している大正時代らしさは十全に反映されていたように思いましたし、時代背景へ対する違和感は皆無であるように感じられました。マップに、服装に、言葉遣いに、この辺り相当に気を払われていると思います。現代から離れた過ぐる昔歳のノスタルジーは心霊という怪しげな現象と、雰囲気としてとても相性の良いものだと思います(現実でも、寂れた廃墟にはそうした噂が付き物ですよね)。
ストーリーに関しては不満点も口にしましたが、素直に楽しめるものでした。冒頭のホラー演出に思わず一旦ゲームを終了してしまう程の小心者ですが、ほたるちゃんが出てきて一安心した覚えがあります。以後は恐怖を煽る演出もそれ程見受けられず、個人的には相当に助かりました。キャラクターの中ではエゾマチくんが、無邪気で不思議で可愛いかったですね、大好きです。幼い子供のような容姿、立ち振舞に反して存外にも優れた画才を誇っているというギャップが魅力的な子だと思います。ほたるちゃんに露ちゃんに千歳くんにと、彼女ら彼ら自身が語るというよりは、囲氏と彼の所有していた篝火館を巡る渦中で断片的ながら人物像が浮き彫りになっていきました。そうした中で、特に過去が気になったのは千歳くんですね。守護霊という存在であるならば彼も元人間だと思いますし、主要人物であるからにはその辺りも今後明かされていくのだろうと期待をしています。
おそらく次回作でもキーキャラクターとなる囲氏は、風変わりな一面や世俗から外れたような気質を持った方ですね。画家もとい創作者とは、もとより自身の理想を作品に体現する人種であると思いますが、氏は対象者の願望を叶えるような絵を描いてもいて、謂わば二重の理想をキャンバスに映し出しているような一風変わった作風の持ち主でもあると思います。そんな囲氏は確かに一角の創作者であると共に慈愛の精神を併せ持った優しい人柄の人間でもあるように感じました。
しかしながら、囲氏の絵はエゾマチくんの描いたそれと、まるで同一人物の作品かと見紛う程に画風が似通っているように感じられますのでその点は差別化してほしかったように思います。例えば、この世界のキャラクター達の容姿が実際に両者の作品と相違のないようなものであったとするならば、この二人がたまたま写実的な傾向の画風を好んでいたという論拠を見出だせて些か納得出来るような気もしましたが、やはりそうであったとしても単なる絵描きの少年とかたや高名な画家であるというステータスを加味して考えれば、技術的な差異が見受けられないことには違和感が伴うかもしれません。もし、エゾマチくんが囲氏の元弟子であったというような伏線だとしたら申し訳なく思います。。
その他諸々について、至るところに古めかしい意匠が凝らされたUIが素敵だと思いました。手書き風のフォントも可愛かったですし、メニュー画面のキャラ絵がアニメーションになっているところも驚かされましたね。また、箪笥関連の文章のバリエーションが本当に豊富で、箪笥を発見する度に思わず調べずにはいられませんでした。もしかして、同じテキストは一つとして無かったんじゃないでしょうか?あるいは、拘りが最も感じられた部分だったかもしれません。
おおよそ感想は以上です。次回作の舞台は囲氏が居候していたという※※村の※※か、あるいはほたるちゃんの母親、旧姓真柴さんの家か、あるいはそこから手紙にも記されていた「さらに北」なのか、、おそらく※※村だろうという予想をしておきます。お気を悪くしかねないような、口うるさい感想になって申し訳なく思いますが、嘘偽りなく、本当に楽しかったですし、二作目を心から楽しみに待っています。良いゲームを作ってくださり、ありがとうございました。
霊の気分を存分に味わえるゲーム
ver1.0.0をプレイ。
舞台となるのは、大正時代のとあるお屋敷。
ほたると言う少女の守護霊である少年の霊・千歳。
彼を操作して目的を果たすアドベンチャーゲームです。
とても楽しみに完成を待っていたので、期待値はとても高かったのですがその期待以上に面白く楽しかったです。
全てのENDを回収して、時間は2〜3時間程かかりました。
攻略も用意されているのでとてもプレイしやすかったです。
謎解きに関してはそう難しくない、よい難易度だったと思います。
分岐はガッツリと攻略をみましたが……
以下、楽しかった点。
・導きシステム
これは私が命名したので、実際こう言う名前ではないのですが、
操作するキャラクターが霊と言うことで、物を持ったりすることが出来ません。
ですので、生きている人間頼みで鍵を開けたり、謎を解いたりしてもらわなければなりません。
その辺りのゲーム性がとても面白く、一気にプレイしてしまいました。
霊としてのちょっとの悔しさなんかを味わう事が出来る面白いシステムです。
・キャラクター
決して多くない登場人物ですが、個性的なキャラにより物語が作られ、そしてほんの少し残された語られない部分が想像を掻き立てます。
三部で完結のようですので今後語られるのかもしれませんが、「何故、千歳はほたるを守護しているのか」
そこが今回一番気になりました。新しい物語を心待ちにしています。
・おまけ
全エンドを回収して全て見ました。製作者様の裏話が聞けたり、設定が見れたり、ゲームがクリア出来て嬉しい上に、こうして特典のようなものがあると更に充実した気分になりますね。
プレイ中に少し困ったのは、操作方法が特殊だったことです。
でも、慣れればなんの問題もなく楽しめますし、ゲームの面白さが上回り気にならなくなりました。
物語を楽しむ+ゲーム性を求めている方に是非プレイして欲しい作品です。
最後になりましたがゲーム製作お疲れ様でした。二幕も楽しみに待っています!
恐怖新聞
ツンデレは いいぞ。 3部作とのことで、次回作も期待しております。
マジメ探索君はエンド3にいくと思います。
セーブは所々で分けたほうがいいですん・・・。
あとは、ほたるさんの 独り言 が多すぎる気はしましたね。
ゲーム上仕方ないことですが。
面白いシステムの探索ゲーム
ver1.00でプレー。
大正ホラーというかなりストライクなコンセプトに惹かれてプレーさせていただきました。
良いですよね大正女学生!(興奮)
一方で主人公の千歳くんが時代不明なデザインしているのも良い意味で浮いていて好きです。
ところで私、「つい最初から丁寧に探索して真っ先に正エンドを回収してしまう症候群」に罹っているのですが、
同じような症状をお持ちの皆様、気を付けてくださいませ。
正エンド以外は結構ショッキングでしたので……。
それでも全てのエンド含めて、全体としてシナリオは良かったです。
語られていないままの部分が多く残っていますが、三部作とのことなので次回作以降にも期待ですね。
個性的な登場人物も皆魅力的で好きです。
超絶マイペースで庇護欲をかきたてられるほたるちゃん、
弟のようで母のようで、しかし冷徹な一面も持つ千歳くん、
出番は少ないくせに妙な存在感を残していくタロさん、
シナリオに直接絡まないのにしれっと立っている絵描きくん(エゾマチくん)、
そして不器用で無愛想かわいいツンデレ美少女露ちゃん。
みんなすごく好きです。可愛い。
千歳・露・ほたるの三人については会話も豊富で非常に楽しいです。
システム・操作性の方が少し独特ですが設定上納得できるものなので、
食わず嫌いせずに触ってみて欲しいところです。
ゲームパッド派の方はJoytoKey等で独自キーコンフィグを施すと快適かも。
なおVer1.00時点で、デフォルトですと地図機能がパッドで使えません。
(地図を開くAキーはもとより、開いた後のZ,Xキーに相当するボタンも反応しません)
どちらにせよ、一工夫施したいところ。施さなくてもなんとかなりますが。
長くなってしまいましたが、楽しい作品でした。
次回作も期待してます。
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