透過色パラレルワールド

KURAKIRIN

幼馴染の少女と迷い込んだ平行世界。選択肢なしの長編ビジュアルノベルです。

NaGISA

隠れた名作です

3年前に公開されたのにコメントが1件もついていませんが、こんないい作品に感想がないというのも見るに忍びないので、僭越ながら感想を書きます。

世界から自分たちが認識されなくなった高校生の男女の物語です。純也は幼い頃虐待を受けた経験から、安穏とした当たり前の幸せをつまらないものだと思い、世界にそれを思い知らせるために絵筆を取り続けています。

途中哲学的な要素も入り、「何のこっちゃ?」と思うこともあるかも知れませんが、テーマ自体は「幸せとは、本当に大切なものとは何か」というシンプルなもの。途中まではえらく複雑な話に見えますが、だんだんシンプルなテーマに収束していくラストは見ものです。

最後2時間くらいはちょっとくどいと思えるところがなくもないですが、読後感の良さは特筆ものです。少ない登場人物を深く掘り下げ、真っ直ぐなテーマを描くために作られた世界観で主人公が時に憤り、時に苦悩する様は見応えがあります。

私は7時間で読めました。是非多くの方にプレイしていただきたいと思います。

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No.53768 - 2020-08-02 13:19:14
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