雰囲気たっぷり、でも単なる雰囲気ゲーではない
序盤がゆったりとしているので雰囲気を楽しむ作品かなと思って油断していたら……。
中編ながら幼馴染の関係性とそれぞれの人間性がかなり丁寧に描写されていて、文字主体でも登場人物一人一人が鮮やかに浮かび上がってくるようでした。
普通なら無理があるのではと思うような展開にも後でしっかりと理由付けがされていて、しかもそれがストーリー上の仕掛けだけでなく、心理描写にも一役買っているという……巧みさに思わず唸らされます。
また細かいことですが、視点人物の表記が名前ではなく「俺/私」となっていることも、視点が頻繁に移動しても混乱しにくいという利点がありました。これは小説ではなかなか難しい、ノベルゲームならではの強みですね。
結末、主人公の決断も自分の好みや理想に合ったもので本当に良かったです。
最新作も必ずプレイさせて頂きます。
Youtubeにて実況させて頂きました。
Youtubeにて実況させて頂きました。
素敵な作品をありがとうございます。
感動しました。
ネタバレ含みます。
私は学生時代に女の子との楽しい思い出などありません。それなのにこの主人公には幼馴染のかわいい同級生がいて手作り弁当を2人きりで食べながらも告白できないでいるとかリア充すぎていらっとしました。しかしその後の展開にひきこまれました。主要登場人物が2人いますがそれぞれの気お持ちを丁寧に描いてらっしゃって共感できました。風景描写などもその場所にいるかのような気分になり素晴らしいです。次回作も期待してます。
クリアしたが
淡々とした話と見せかけて、
中盤辺りでどんでん返しが待っている。
また、伏線の張り方も上手い。
終盤でちょっとフワッとした感じになるが、
プレイして損はない作品。
次回作に期待しています
矛盾したシーンに何故か触れないキャラクターたちなど、幾らなんでもこれは書き手にご都合主義すぎやしないかとは思いましたが面白かったです
でも眠れない、夜、というテーマ性は必要あったんでしょうか
面白すぎてもはや腹が立つレベル
いや、もう……。
めちゃめちゃ面白かったです。素晴らしかった。
『君と再会した日』に続いて、また九州さんに泣かされてしまった……
導入では話の終着点が見えずに
「ずっとこんな感じで進むのかな?」と退屈を感じたのですが、中盤にさしかかる頃、あることが判明してからは
「どういうことなの?」
「これからどうなるの?」
「どうやって終わるの?」と一気に引き込まれ、序盤に感じた退屈がウソのように、とにかく先が気になって仕方がありませんでした。
次々に分かるキャラクターの心の内、過去と現在が交差して進んでいく話に、
途中「サスペンスかホラーかな?」と思うくらいに緊迫感のある演出もあってずっと胸がドキドキして、文章を送る手が止まりませんでした。
キャラクター全員に生身の人間らしい弱さがあって、等身大の不器用さ(特に香澄)に感情移入してしまい、終盤の茜とのドライブのシーンからエピローグまではもうずっと泣いていました……
脆かった淳と香澄が最終的に顔を上げて前を向いていたのが、何というかすごく嬉しかったです。
制作五年も納得のシナリオでした。本当に面白かったです。
唯一にして最大の欠点はマウスホイールで文章送りができないところですね。
めちゃめちゃ次が気になるのに、マウスホイールで文章が送れないのでもどかしいったら。一時間のエンター連打は疲れる!
スルーしてたことを後悔する面白さでした。なぜもっと早くにプレイしておかなかったのか?
あと、幼なじみものだと知らなかったので、好きな自分はちょっと得した気分でした(それどころではないシナリオでしたが)
素晴らしい作品をありがとうございました。次回作も楽しみに、気長に待ってます!
さっちゃん
眠れないわけではないですが、ちょっと夜にあらがって読ませていただきました。
多分ネタバレになるのでご注意。
時間的に一番平和なところから入り、ちょっとずつ情報公開していって危ない橋の上なんだなと。
さらに情報公開が進むと、「橋どころか綱渡りじゃねえか」「わたってる綱切れたぞ!」といった感じで。
現在の時間軸のアクションとしては少ないものの、過去の装飾によってそれが致命的なんだなぁとわかっていきました。
ただまあ、主人公が、綱渡り状態を橋に勘違いしなければとっくに転落してたんじゃないかと思います。妹ちゃんの与えた勘違いは、後に主人公を傷つけるとしても、一時的に緩和されて主人公は救われた気がします。継続ダメージほど怖いものはない。
で、綱が切れたタイミングのことなんですが、主人公の状態を考えれば、あれほどのショックには通常耐えられないと思います。で、それを耐えうる現実的な対抗策としては、あの程度の奇跡と勘違いは妥当なものと思います。
タイトルからすれば、原因事象は解決しないものの、事象を少しずつ受け入れ、「眠れない夜」から「ちょっとした夜更かし」になるまでを描いたお話という感じで、ちょうどよい終わりでした。
よくわからない感想文になりましたが、有意義な夜更かしができましたので、その感謝だけ受け取っていただければと思います。
ごちそうさまでした。
しかし一番印象に残ってしまったのが、制服のおっさんフラグ回収でした。以上です。
これまでの集大成
この作者さんの作品は全てプレイしてきてます。
初期作品から追っていくなかで「君と再会した日」では作品の完成度に驚かされましたが、今回はそれを軽く超えてゆくような、とても良い作品でした。
高校生時代のシーンから始まり、現代のシーンへ移り、そしてまた過去のシーンが入る……この作者さんは、回想パートとの使い分けが上手い気がします。
話が進んでいくにつれて、少し不穏になっていき、いきなり急展開。
そこからラストまで畳み掛け、エピローグの余韻を残して終わる、そんな構成に引き込まれました。
途中のホラーな感じも、良いスパイスになってて良かったです。
以下、個人的な事ですが、ヒロインのくも膜下出血のくだり、私自身も友人が類似した病気にかかった事があり、プレイしていて共感するとともに胸が締め付けられる思いでした。
さらに、福岡が舞台という事で、私も福岡出身なので馴染みのある風景のなか織りなす物語を楽しむことが出来ました。
劇中にあるように、都市高速を走るの、ちょっと走るの難しいんですよねぇ……。
ももち浜も、ぼーっと佇むには良い所です。
まとまりのない感想ですが、とにかく良い作品です。
素晴らしい作品をありがとうございました。
夜。
ネタバレ全開です。一応。
清冽な夜の空気を纏う二人が、静謐な時の流れに浸り込む緩やかな進行のゲームかと思いきや中身は相当起伏が激しく良い意味で期待を裏切られたっていう、そんな作品でした。
ゲーセンでの不穏な電話のくだりからこれは一つ仕掛けがあるなと、それまでの温柔な雰囲気を壊されることを残念に思いながらも、何となく勘付きました。過剰に記憶を引き出そうとすれば却って茜ちゃんを苦しめることになるという描写が出た以後であっても、彼女が不自然と思われる程、執拗に主人公へ対して思い出に関する問いかけを発しているところから実は記憶を失っているのは主人公であり、真実ではない偽りの記憶を無意識に自らへ刷り込んでいるパターンかなと考えていましたが、色々考慮するに無理がありすぎたし、どうやらそうでもないよう。
姉妹がいるということで、一応可能性として、入れ替わりの線も少しばかり考えていましたが、二人が似通っているという情報も示されてはいなかったし、これは多分無いだろうと検討をつけていました。結果としては結局入れ替わりで合っていたのですが……。この交代のトリックについてですが、ミステリとしては最早陳腐と言ってもいい程手垢に塗れた、二人が双子である等、身体的に似ているという特徴を利用したのではなく、主人公側としては茜ちゃんが病で倒れたという凄まじいショックとそれでも彼女の存在を焦がれる思い込みも手伝い、また香澄ちゃんは主人公への燻った恋心を抱き続けていたという理由から、共に一人の最愛の人を失ってしまったという途方も無い傷心からの行動であるという心理的な理由付けで入れ替わりを成立させ、物語としての違和感を消し去った力量は見事の一言に尽きるかと思います。それとこれも典型ですが、姉妹関係を利用した入れ替わりと思わせて実はそうではないというミスリードの手法を安易に導入しなかった点も嬉しく思いました。
過去と現在が交互に展開する中、シーンの切り替えの構成も巧みだったと思います、ストーリーの整合性に相当気を遣われているなと。かといって、他の部分に雑っぽさも見受けられず、そればかりか、キャラクターの一人一人がとにかく丹念に描かれており、その息衝きさえ耳元に聞こえるようでした。
臆病体質の自分としては中盤、浜から病院へ淳が向かい真実を知る際の画面のホラーチックな暗転やBGMが普通に怖かったですね。でも、全然やりすぎじゃないです。あれ位しないと臨場感が無い。
ラストですが、茜ちゃんが目を覚ます最後ではなくて、茜ちゃんが目を覚まさない最後で、胸を撫で下ろしました。多分そうだったら、雰囲気が壊れてしまっていたかと思うんです。夜の限りのみに許された、冷たくはない、むしろ暖かではあるけれど、決して物哀しさは拭い切れない、美しい揺らめきを残す一夜の物語、ってのは。時間が出来れば、是非他の作品もプレイしてみたいと思います。
「もうひとつは、図書室という空間自体が好きだったということ。
特に、夕日が差し込んだ図書室は神秘的で最高だった。世界から隔離された場所のようにも思えて、訳もなくわくわくしたものだ。」
という序盤のちょっとした文章にやたら共感したりもしたり。例えば十年後だとか、僕がこのゲームの殆どを忘れたとしても意外とハッキリ覚えてるのって、こういうちょっとした細部だったりするんですよね。
また、これは僕の個人的な趣味ですが、主人公は傍らにいる人物が茜ちゃんだと信じ込み、香澄ちゃんは罪の意識を抱きつつも茜ちゃんを演じきって、夜の高速をドライブするシーンは妙に生々しく妖艶な雰囲気が漂っており、作中ダントツで好きになりました。
作品名はヒルディの眠られぬ夜のためにからかな?
最後にですが、もしよろしければ、タイトル画面の素敵な曲の題名をお教え頂きたいのですが、よろしいでしょうか?れどめに記載されたサイト様の、曲数が(素晴らしいことに)何しろ膨大でして……。
凄い見事な作品でした。
プレイした後、読後の余韻が強く、感想を書かせて頂こうと思いました。
ただ自分自身、ほとんどレビュー経験がないので駄文かもしれませんが、思った事を書いて行こうと思います。。。
ストーリーの進行具合自体は静かであり、ほとんど大きく進むことはありません。
しかしキャラクター一人一人の心理模写がとても丁寧で時間をかけているのが分かります。それは途中に登場した憎まれ役(?)のヒロインの両親の気持ちも「こういう気持ちからこんな行動や言動に出ているのだろう」と察する事が出来ました。
エピローグの登場人物のやりとりも、製作者の頭の中でキャラクター達が自然に動いているのかなあ。と感じる事も出来たのが良かったです。
また、フラグの立て方がとても自然で「どうせこんなお話なんでしょう?」と勘ぐっても、それを裏切ってくれるストーリーで最後まで読ませてくれます。
ただ一つ、個人的に気になった所と言えば……中盤以降、ほとんどのストーリーの進行が静かな事に対し、心理模写、過去の記憶のシーンが大半なので若干飽きてしまいがちになってしまうかもしれません。
何か大きくストーリーが進むシーンがあれば……とも思いましたが、この手のゲームにそんなものは邪道ですね。すみません。
ともあれ、製作者曰く「構想5年」と言われ、それを確かに詰め込まれた作品となっています。
タイトル通り、夜にプレイする事をお勧めします。
素晴らしい作品をプレイさせてもらい、ありがとうございました!
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