切なさと温かみが溢れる
小さな離島で起こる、少し不思議で温かく、けれどどこか切なさがある現代寄りの物語です。
イベントで表示される水彩画の一枚絵も、とても温かみが溢れています。
とじる・ひらくの切り替えで、どちらかの状態では何かが見えたり、話しかけたり、調べられたりと、見える視点や反応が異なってくるのがとても探究心をくすぐります。
キャラクターが家の中にいると裸足であったり、外に出るときは靴を履き、何かを持つときはきちんとキャラチップに反映されていたりと、細部の演出がとても丁寧です。移動できる場所や調べられそうな箇所も具体的に示してくれるので、迷うこともほとんどないでしょう。
作中にある用語集も、物語の舞台を補足して説明してくれて、より深みが増します。あらかじめ得られる数も提示しているので、ちょっとしたやり込み要素にもなりました。
エンディングの種類は三つ。どのエンディングに行ってもエンディング分岐のヒントをもらえるので、詰まることはないですが、セーブは時刻ごとに小分けするのがおすすめです。三つの分岐ごとに道程の展開が異なるので、回収のしがいがあります。
謎解きも適度なもので、失敗してもゲームオーバーにはならないので、安心して世界観に浸りながら探索できました。
鬼たちが可愛い
全エンド回収、用語集も26種類見ました。温かみのある絵の良質な和風ゲーです。
とじる、ひらく、で切り替えて進めるシンプルな操作感が良いです。
見えないものを見つけられるようになったり、空間が変わったりと色々な発見があって面白い。わんわんとも会話できる。
ヒントマークや分岐条件のヒントが分かりやすくて丁寧です。
村の住人も鬼たちも皆優しくてジーンとくるし、ところどころ聞こえる音が心地よくて癒されます。
温かい世界なのにどこか不思議な切なさがあるのも魅力的ですね…。
やりこみ要素?の用語集を集めるのも楽しかったです。
エンディングはそれぞれ過程が違うので見応えがありますよ。
心温まる
昭和臭香るゲームでした。
ヒントもあって難しい謎解きはなく、淡々と進めていけるけれど、ストーリーがきちんと練られていて、どのエンドも納得のいく素敵な終わりになっていました。
ただすこし残念だなぁと思ったのはいちいちメニューからとじる、ひらくを選ばなくてはいけなかったこと。
キー操作で入れ替われたらもっとやりやすかったと思う。
とても素敵な作品でした。
切ない
操作する主人公の年齢は高校生ですが、大人向けの作品だと思いました。
製作された方も学生とかではない気がする……、もしそうだったなら、すごすぎる。
ゲーム画面的には地味な部類に入ると思いますが、グラフィックはかなり丁寧に作ってあると感じました。
またキャラとマップで世界観を表現するのが上手いです。
内容的にはネタバレしないで、感想を書くのが難しいゲーム。
3エンドすべて見ましたが、解釈し切れてない部分もあります。
鬼がみんな純粋というか、無垢な魂、という感じなので
それだけで独特の切なさがありました。
システム的には用語集がよかったです。
親戚関係などシナリオ内の説明的なセリフやモノローグで語らず
そこに全部入れてしまったことでスッキリしていたと思います。
共にあり続ける者達の宴
6時間ほどで全エンド観れました。
用語集は一つ(18)だけ見つかりませんでした。
孤島に受け継がれる地域信仰をテーマにした作品で
モード切り替えによって見えるものを変えるギミックと合わせて
個性的な作品になっています。
遊んでみて感じたのはとても丁寧に作られているという事で
派手さは無いもののグラフィックや音楽
シナリオ、演出に至るまで細かく作りこまれていて
非常に好感が持てました。
ゲームは難しい謎解き等は無く物語を追っていくのがメインですが
ルート分岐後の3ルート全て違う展開で感心するとともに
飽きずに最後まで遊べました。
後半やや唐突感やお使い感が強くなるきらいはありましたが
マップが小さめなのでストレスという程ではなかったです。
ストーリーは序盤は地味な印象ですが
ルート分岐以降の差別化や独自の世界観や信仰の謎を紐解く
展開はとても興味深く楽しめました。
そして全編に流れる優しくもどこか切ない様な空気や音楽が
合わさって何とも言いようのない感覚を受けました。
特にエンディング1、2の順で観てエンディング3の
直前に差し掛かった時は悲しい訳でもないのに
何故か涙が出そうになるほど作品世界に入り込んでしまっていました。
楽しい作品をありがとうございました、今後の新作にも期待しています。
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