独創的な部分や、目を惹くビジュアル面の要素はありません。
が、文明レベルからして大きく異なる様々な国を渡り歩く冒険譚であったり、船を手に入れた瞬間に劇的に広がる行動半径、飛行船の入手による快適な移動と、船では行けなかった場所に行けるようになるなど、「RPGらしい要素」を確実に抑えた、「RPGらしいRPG」です。
※そもそもの「RPGらしさ」ってなんだよ、という話は面倒なので、この際、置いておきます。
ゲーム進行のためのフラグ周りや、スキル性能・スキルツリーの不透明性などに不親切な点が目立ち、またストーリー面では「とある重大な謎」が終盤になって「実は重大でも何でもない」とただの一言で片付けられてしまう、といった欠点もあります。
それでもなお、物語面やキャラクターの内情といったバックボーンを背負っての旅路や、漫然と戦っているだけでは負けるような強ザコ、初見殺し的な部分も含む(が実際に全滅するほどではない)ボスの行動パターンから来る戦術性など、プレイしていて、確かな手ごたえを感じるはずです。
キャラクターの内情にまで踏み込んだ丁寧な物語を見たい方や、あるいは様々な大陸・島を股にかけた壮大な(と言ってもマップ自体は狭いのですが)冒険譚が楽しみたい方にはお勧めできる作品です。
■概要
一周目のプレイ時間は10~15時間ほどでした。
親や故郷、心の闇、嫉妬や自責、これらの言葉に惹かれる人はやって損はしないでしょう。
難易度はあまり高くなく、EASYモードや開戦時のヒントなども選択できるので、初心者でも敵に応じた戦略設計を楽しめます。
■ストーリーについて
仲間との絆を支えにして、それぞれが背負った辛い過去を乗り越えていく。
生きるという問題に真正面から向き合う物語に、胸を熱くさせられました。
人物の感情変化に説得力があり、主人公たちを応援したい気持ちになります。
戦闘や各種演出との連携も秀逸で、特に後半の展開には鳥肌が立ちました。
人物の内面に深く斬りこむシーンが多く、随所で泣かせにきます。
個人的には、死ぬまで心に留めておきたいと思うストーリーでした。
■システム等について
歩行速度や戦闘のテンポなど、快適性は良好です。
回復拠点や蘇生魔法なども充実していて、良い意味でストレスなくゲームを進行できます。
スキル組みに迷いながらセーブを繰り返したのも楽しい思い出です。
王道RPGの基本要素を上手く実装してあり、全体的に完成度が高いです。
ダンジョンの設定やBGMも、物語との相互作用で良い演出になっていました。
作品を構成する諸要素が1つのテーマに従って結びついており、ゲームならではの大きな感動を味わうことができました。
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